2021年 1月 25日 (月)

ドル円相場、実質史上最小の週間レンジ その意味するところを探る(志摩力男)

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膠着相場の要因は3つ

   2015年12月の膠着は、2012年1月の膠着の真逆だったと言えます。トレンドは円安ですが、これ以上ファンダメンタルズ的に円安は難しいという限界点に来ていたのでしょう。日本銀行の黒田東彦総裁も「実質実効レートではこれ以上の円安には行かない」と発言していました。翌16年に日銀はマイナス金利を導入しますが、市場はそれに反応せず、高値から26円もの円高相場、アベノミクスの揺り戻し相場となりました。

   2014年は、アベノミクス相場が一服した時間帯でした。1ドル80円前後から100円台への相場を経て、市場は中休み中でしたが、すぐに三角持ち合いを上抜けし、黒田総裁の「バズーカ2」もあって、あっという間に120円台を示現しました。

   こうしてみると、これまで歴史的に狭いレンジが出現したときは、その後、かなり動くケースが多いということがわかります。反転相場のときもあれば継続相場のときもありますが、反転時に相場が膠着するケース増えている感じがします。

   現在の膠着相場の要因も、さまざまあるでしょう。しかし僕は、

(1) ファンダメンタルズ
(2) オプション等の影響
(3) AI(人工知能)の影響

の3点の要因があると思います。

   まず(1)ファンダメンタルズ的な理由から。金利差を考えるとドル高ですが、円の絶対水準がかなり安いことを考えると、ドル安になるべきと思っています。しかし、割安な円が調整されるプロセスですが、貿易黒字が増えて円買いが膨らみ、その結果円高方向に振れるというのが、一般的なプロセスだと思います。

   ただ、これには時間がかかる。また、多くの日本企業がすでに海外に進出し、国内への投資をさほどしていないので、日本の貿易黒字が大きくなるには時間がかかると思います。

   (2)のオプション等の影響ですが、1994年12月時と同様、何がしかの、ドル円が狭いレンジにおさまるような「賭け」がなされているのではと思います。

   通常のバニラオプション(基本的なオプション取引)では、相場を押し込めるようなほどの力はありません。何らかのバリア系、ノックアウト系の商品が111円以上にキャップしているのでしょう。ダウンサイドにも同様のものがあると思います。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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