2024年 4月 24日 (水)

【10連休は本を読む】どん底マクドナルドをどうやってV字回復させたのか(気になるビジネス本)

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SNS活用、意表つくキャンペーン

   マクドナルド入社後の足立さんは、持ち前の前進力でさまざまな施策を打ち出す。ネガティブになってしまったブランドのイメージを反転させなければならないが、売上不振でそれまでのようにテレビCMをふんだんに打つ予算はない。それなら広告より広報(PR)に力を入れるべきと、SNSに力を入れた。

「第三者であるメディアや客のSNSで『美味しそう!』『美味しかった』と取り上げてもらった方が信頼性や説得力が高まる。品質事件の影響で、日本マクドナルド自身がいくらCMで『安心安全で美味しいです』と訴えても、『本当のこと言ってるの?』と懐疑的な目でみられてしまう」

   マックがしばしば行うキャンペーンでも新機軸を導入。新製品の売り込みで「名前募集キャンペーン」で意表をつき、また「マックチョコポテト」や「グランドビックマック」「ギガビッグマック」など製品そのものでも意表をついた。また、イメージキャラクターに相撲の横綱白鵬を起用。米本社は肥満を連想させるとして力士との取り合わせをNGとしていたが何とか説得して実現させた。

「ポケモンGO」とのアライアンス

   V字回復を導いた施策はほかにも数多いが、それまでほとんどマックの店舗を訪れたことがなかった人までを呼び寄せたのは「ポケモンGO」とのアライアンスだ。同ゲームのナイアンティックと経営幹部と古くからの知り合いだったことなどから縁が生まれ、配信が始まったときには「日本のマクドナルドが世界で唯一のオフィシャルパートナー」になっていたという。

   しかし「ポケモンGO」とのアライアンス決定を全社会議で報告したときは社内は無反応だったという。実は、足立さんの提案に対する反応の薄さはこのときばかりではなかったそうだ。

   足立さんは3年たらず勤務した18年6月に退任し、ナイアンティックに転職。本人によれば、3年以上同じ仕事をしていると自分の成長が止まっている気がするという。

   老舗洋食店の三代目の男性は、足立さんの話を聞き終わったあと酔いつぶれ、その後に洋食店がどうなったかは分からない。

「『300億円赤字』だったマックを六本木バーの店長がV字回復させた秘密」
足立光著
WAVE出版
税別1500円

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