2024年 4月 25日 (木)

【襲来! 新型コロナウイルス】元凶の宗教団体を「殺人罪」で告発! 朴槿恵前大統領の名まで浮上する泥沼政争 韓国紙で読み解く

教祖を殺人罪で告訴したのは責任逃れの政治的陰謀か?

   4月に行われる総選挙を控え、文政権の与党・共に民主党は「朴槿恵時計」を最大野党・自由韓国党攻撃の材料に使おうと躍起だ。自由韓国党は、新型コロナウイルスの感染拡大を、「中国に忖度して中国人の入国拒否を怠った」文政権の初動対応ミスと攻撃してきた。今度は「新天地イエス教会」と自由韓国党の癒着と材料で巻き返しを図れるからである。

   こうした泥沼の政争に、朝鮮日報社説(2020年3月3日)「国民は新天地の責任、政府の責任、皆知っているので防疫だけ集中せよ」はこう警告を発している。

「新天地教会が、国民から批判を受けて当然だ。新天地は狭い空間で密集したやり方で礼拝や教育を行う上に、礼拝の時間もおよそ3時間と長い。患者1人がウイルスを広める再生産指数は7~10人に達する。しかも多くの信徒が調査に協力しないし、新天地信徒という事実を隠していた人も少なくない」
「だからといって政府与党が、新型コロナ事態はすべて新天地が原因であるかのように追いやることもいかがなものか。文大統領は(感染が急拡大した)2月13日の時点でコロナ事態について『近く終息する』と発言した。首相や長官らも『マスクは必要ない』『日常生活をしよう』と呼びかけていた」

   それがどうだ、と朝鮮日報は続ける。

「(与党・共に民主党側の)ソウル市長はイ・マンヒ総会長を殺人罪で告発したが、このような対応は新天地側に防疫当局から逃れ、隠れるよう促すのと同然だ。防疫当局は『新天地を強く圧迫するのは防疫に逆効果』としているが、政府与党はすべてを新天地のせいにし、責任から逃れることばかりを考えている。与党は(朴槿恵時計問題から)『新天地は野党と関係がある』というデマまで作り出している。国民はばかではない。新天地の責任がどこまでなのか、政府が何に失敗したのかは皆知っているから、政府は防疫にのみ集中しなければならない」

   つまり、新型コロナ感染拡大の責任は政府与党にもあり、新天地教会を殺人罪などで追い込むのは新天地教会にすべての責任を押し付ける政治的陰謀だというのだ。「朴槿恵時計」も偽物であり、与党側のでっち上げだと主張する。ただし、朝鮮日報は保守系紙で野党寄りのスタンスだから、社説も割り引いて読む必要がある。

   こんな中、新天地イエス教会は3月5日、感染発生地の大邱(テグ)市に100億円(約10億7000万円)を寄付すると発表した。しかし、同市は断固として受け取りを拒否した。同市のクォン・ヨンジン市長はこう説明した。

「大邱市地域の感染者4693人(5日現在)の7割は新天地イエス教会の信徒らだ。とても受け取れるおのではない」

(福田和郎)

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