2020年 4月 7日 (火)

世界同時株安 新型コロナ「パンデミック」が「最悪の相場」でないワケを言おう(小田切尚登)

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   世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの感染拡大について、「パンデミック」(世界流行)を宣言。それを受けた米ニューヨーク株式市場のダウ30種平均株価が「ブラックマンデー」や「リーマン・ショック」を思う出させるほど急落するなど、世界中の株式相場が大変な状況になっている。

   そこで今回は、株式相場はこれからさらに下がっていくかどうか、考えてみたい。

  • 新型コロナウイルスの「パンデミック」で株価は乱高下
    新型コロナウイルスの「パンデミック」で株価は乱高下

新型コロナウイルス にわか解説者が煽る危機感

   1980年代から金融の世界にいた筆者が「最悪の相場だ」と感じたことが二度ある。

   一つは2008年のリーマン・ショックの時だ。当時の日経平均株価の下落を振り返ると、2007年に1万8138円をつけてから下落を始め、その後1万8000円台に回復したのは2015年だった。

   つまり、回復までに約8年を要したということだ。それ以上に悲惨だったのは1989年末のバブル崩壊だ。当時の最高値3万8915円は、その後30年経過した今も遥か彼方にある。最悪の事態とは、このように回復までに何年も何十年もかかることを意味する。

   しかし、今回の相場への影響はそこまで深刻なものにはならないと、筆者は考えている。回復までに何年もかかるということはなく、数週間あるいは数か月という時間軸で相場が戻ってくる可能性が高いとみている。

   筆者が何故そう考えるかについて以下、解説したい。

   我々は2000年以降に6つの感染症の世界的流行を経験した。SARS(2002年)、豚インフルエンザ(2009年)、MERS(2012年)、鳥インフルエンザ(2013年)、エボラ(2013年)、ジカ熱(2015年)である。これらはどれも深刻な事態を招いた。

   たとえば、豚インフルエンザには世界で十億人以上が感染し、米国で一万人以上、世界では数十万人が亡くなった。致死率を見るとMERSは35%程度、SARSが10%程度で、新型コロナウイルスの推定致死率1%程度というのよりケタ違いに高い。しかも基本的にこれらの疾病には、今も有効な治療法が存在しない。それでも株式相場に対する影響という点では、それぞれ一時的に若干の悪材料にはなったものの、株価は中長期的にはこれらと無関係に上昇していった。

   ところが、新型コロナウイルスはそれまでの感染症とは次元が違うような大きな影響を及ぼしている。新型コロナウイルスは、類似のものに比べて特段危険性が高いわけでなさそうなのに、何が違うのか?

   それは、ひと言でいえば、「パニックが起きたから」ということだ。今は一般人が感染症のリスクについての情報を、SNSなどで簡単に得られるようになっている。最初に中国の湖北省で感染が広がっていくと、その様子がつぶさに伝達された。

   いろんな人がにわか解説者になり、危機感を煽るので、恐怖感がますます増幅した。また、人々が以前よりも感染症のリスクをより理解するようになったため、余計に怖く感じるようになったという面もある。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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