2024年 5月 5日 (日)

テレワークで進展する「成果」評価 成否の分かれ目は「管理職」にあり!(大関暁夫)

テレワークだと社員は仕事をサボっている?

   逆にオンラインミーティングのデメリットは、画面を介するコミュニケーションであるがゆえの臨場感の欠如です。

   中学生の娘さんが塾のオンライン授業を受けているという弊社スタッフの話では、子供の中には自分のカメラがオンになったままマンガを読んでいる姿が写ったり、あるいは寝ている姿なども見えたり、リアルでない緊張感の欠如が目についたと言っていましたが、大人もある意味同じです。 上の空だったり、スマホをいじっていたり。マンツーマンならともかく、大人数でのミーティングの課題かもしれません。

   さて、今回止むに止まれぬ事情から多くの企業がテレワーク対応に移行したわけですが、経営者が盛んに口にしているのが管理の問題です。

   従来は、オフィスに社員を通勤させることで所定勤務時間内を社内拘束し、仕事に専念させるという行動管理が成立していたわけなのですが、自宅でテレワークとなるとそれが不可能になります。性悪説に立って考えるなら、管理者の目が届かないのをいいことに所定勤務時間内に仕事をしないでサボっているかもしれない、という疑念が生まれるわけなのです。

   この対策として、登録された自宅のパソコンが稼働しているかリアルタイムで遠隔確認できるシステムや、さらにはパソコン画面で何をしているかまで確認できるシステムが販売されていると聞きます。

   しかし、こういった拘束時間管理の考え方は、テレワークにおいてはナンセンスなのではないかと思います。そもそもテレワークは、就業人口の減少に対していかに効率を上げていくのかという命題を背負って生まれてきたシステムであり、その先にあるものは女性活躍の場を広げるための環境整備であり、社員の副業を認める他社とのワークシェアの伸展でもあるのです。

   すなわち、拘束時間管理という概念に縛られていては、テレワークは本来の目的を達し得ない、と考えるべきということになるわけです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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