2024年 4月 19日 (金)

【きょうの格言】「授かりもの」の意味を噛みしめる 計画どおりに行かないの が人生だ!(丸の内ミカ)

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   みなさん、こんにちは。丸ノ内ミカです。 新型コロナウイルスによる緊急事態が長引いていることで、これまで当たり前のように 行われてきたさまざまなことに影響が出ています。働き方、経済活動、教育活動は言うに 及びませんが、「厳密には緊急ではないけれども、当事者としては急を要するもの」の一 つとしてクローズアップされているのが、「不妊治療」いわゆる「妊活」です。

   今回は「妊活」を通して、ココロの持ちようを考えてみたいと思います。

  • 妊活、がんばったけど……
    妊活、がんばったけど……
  • 妊活、がんばったけど……

就職、キャリア形成、結婚...... 計画どおりに歩いていた

   日本は「不妊治療大国」といわれるほど妊活が盛んですが、当事者の声はあまり表には 出てきません。妊活をカミングアウトする人はごく少数。それだけセンシティブなこと で、あれこれと周りに詮索されたくないというのは、女性としてはごく自然な心理なので す。 でも、そのような内容だからこそ、その心理の奥を探れば、その女性のアイデンティ ティにまで行きつくほどのホンネが出てきたりもするのです。

   今回、「自分の経験が読者の参考になれば」と、激動の時代を生き残るためのスキルを 策定していく「丸の内サバイバー女子会」メンバーのY香さんが取材に応じてくれまし た。

   Y香さんは大学卒業後、大手金融会社にキャリア職として入社。バックオフィスである 総務系の部署で内部管理業務を担当。華々しいキャリアではありませんが、それでも30代 半ばまで大きな挫折もなく、キャリア人生を邁進してきました。

   結婚は35歳の時ですが、それも前々からライフプランを戦略的に練ったうえでの、「あ えて」の35歳だったといいます。20代で結婚・出産するのは、キャリア形成の上ではリス クが大きいと判断。34歳くらいまではキャリアアップや自己投資に時間を使い、35歳をメ ドに結婚。そして出産と「計画した」そうです。

「会社には、42歳で初産だった先輩もいたので、30代後半で結婚しても、妊娠にはなん ら問題ないと思っていました」

   Y香さんは子供の時から、締め切り日から逆算して宿題をやるような計画的なところが あり、学歴も、仕事も、結婚も、すべて手堅くやってきたので、「『妊娠出産』もうまく いくものと信じて疑っていませんでした」。

見えない誰かと闘ってきた?

   ところが、35歳まで順調だったY香さんの人生に異変が生じます。すんなり行くはずと 思っていたのに、なかなか妊娠しないのです。

   仕事を少しずつセーブし、飲み会とかの付き合いも控えるなど、いつ妊娠しても差し支 えないように、気をつけていたというY香さん。36歳になっても、まだ崖っぷち感はな く、おかしいなと思い始めたのは結婚して2年が過ぎた頃とのこと。毎夏、定期的に受診し ている会社の人間ドックの問診で、不妊症の可能性を指摘され、すぐに近くの婦人科に駆 け込んだとのことでした。

   「私が不妊症?」――。Y香さんは、37歳の人生で初めてといってもいいほどの、現実 を突きつけられることになります。

「正直、ショックでした。夫は、『無理して不妊治療なんてしなくてもいいよ』と言っ てくれたのですが、私はどうしても子供が欲しかったので、私の意志で治療に踏み切りま した。でも、治療は想像を絶するほどの大変さでした。正直、今でも当時のことは思い出 すのがつらいです。
職場の理解もあって、仕事はなんとか辞めずに済みましたが、毎年のボーナスは全部不 妊治療の費用に出ていきましたし、身体的負担も相当なもので、あの期間は仕事している か自宅で寝ているか、という生活でした」

   結局、Y香さんは7年間不妊治療を続けましたが、二度の流産も含めて出産に至った妊娠 は一度もないまま、44歳で不妊治療をやめました。治療にかけた費用は、総額で1000万円近 くまでのぼったそうです。

受験勉強みたいに不妊治療を頑張っていた

   現在、Y香さんは47歳。Y香さんに、なぜ不妊治療を7年も続けたのか、聞いてみまし た。「それまでの人生で、勉強も仕事も結婚も、全部計画して、努力して手にしてきたの で、納得いかなかったというか。努力して叶えられないことなんてないと思ってきたんで すよね。でも、やっぱりみんなが言うように『授かりもの』なのかなぁって思ったりしま す」 と、話してくれました。

そして、 「私、どうして子供が欲しかったんだろうって考えました。本当に子供が欲しかったっ ていうよりも、子供も仕事も手に入れている人に負けたくないとか。親に認められたいと か。なんか周りの目を気にして、周りの評価軸に惑わされて、受験勉強を頑張るみたい に、不妊治療を頑張ってしまっていたのかもしれません」

と、こぼしたのです。

   おそらくY香さんは今でも、子供を授からなかった現実を受け止めきれず、また納得で きていないのかもしれません。しかし、薄々は気づいているのです。周りの目を気にして 自分を飾ったり、駆り立てたりしても、必ずしも思いどおりにならないことがあるという ことを。

   子供は「授かりもの」といいますが、授かりもの=「神仏や目上の人などから与えられ る、金では買えない大切なもの」には、いろいろあります。その一つが、その人が歩んで きた人生、つまり経験・体験、生き方ではないでしょうか。

   確かに子供は授かりものですが、Y香さんのように、子供を持とうと努力したこと、その結果子供を持てなかったことも、一生懸命生きた軌跡、経験という意味ではこの体験 もまた「授かりもの」ともいえるのです。

   いつの時代も、女性にとっては妊娠や出産は大きなライフイベントですが、Y香さんの ように、望んでいてもやむを得ず断念せざるを得ない場合はあります。周囲がどんなに慰 めても、そう簡単には気持ちを切り替えられないことはあります。

   しかし、どんなときでも幸せに生きていけるよう、賢いサバイバー女子の皆さんは、自 分が歩んできた道を、自分にしかできなかった経験を、そして未来を「胸を張って」語っ てほしいと思うのです。

【きょうの格言】 「授かりもの」の意味を噛みしめる。 計画どおりに行かないのが人生だ! それでは、また次回!(丸の内ミカ)

丸ノ内ミカ(まるのうち・みか)
丸ノ内ミカ(まるのうち・みか)
大学卒業後、金融系大手企業に就職してから、一貫して事務職やっています。趣味は野球観戦。シーズン中の週末は、ほぼどこかの球場に出没。40代後半のアラフィフ。
丸ノ内ミカのブログ(アメブロ)https://ameblo.jp/taurusmika
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