2024年 4月 27日 (土)

コロナ禍で浮き彫りになった大都市の脆弱性 いよいよ「分散の時代」の幕開けだ!

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オンライン化阻む「岩盤規制」

   コロナ禍の暮らしでは、マスク着用やソーシャルディスタンスの保持が日常化し、こうした非接触型社会への指向は、産業構造の激変をもたらすと予想される。テレワーク、オンライン診療、オンライン授業、インターネット投票などの実現・拡充への期待は強い。

   海外ではコロナ禍でオンライン診療が急速に拡大。2020年の米国でのオンライン診療は10億回に達するとみられ、コロナ前の出された見通し(約3600万回)の28倍ほどの規模となった。

   しかし、日本では「オンライン」が有効な対策と認識されるようになっても、なお規制緩和が進んでいないと、著者は指摘する。「とりわけ『岩盤規制』などといわれる、医療や教育などの分野での規制緩和を断行することが喫緊の課題」という。

   「えっ?」と、首をかしげる人がいるかもしれない。確かに、コロナ禍では一部でオンライン診療が推奨されていた。だが、これは感染拡大を受けての時限的な対応による規制緩和で、病院や薬局での感染リスクを減らして医療崩壊を防ぐための措置。著者は、近い将来に再び来るであろう感染症の流行に備える意味でも、いまのうちに診療報酬の変更などともに措置の恒久化が必要なことを強調する。

   教育面でも、感染症拡大への対応は遅れている。「とりわけ公立の小中高等学校では、オンライン授業の導入は進んでいない」と著者は嘆く。これは「『原則として対面指導なしでは、高校の単位として認めない』という文部科学省の頑なな姿勢がもたらしたもの」と述べ、欧米とは対照的な動きと指摘する。

   米国のシンクタンクのシミュレーションでは、学校や大学が4か月間休校になると、将来的には同国のGDPの12%に相当する2兆5000億ドル(約275兆円)の経済損失を被ると試算されているという。

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