仕事に家計に......と何事も「できすぎる夫」を持つと、専業主婦は苦労をするようだ。「夫に家計を握られて、すべて夫のカードで支払っているため、手元に現金がありません。貯金もできないばかりか、お小遣いにも不自由しています」という専業主婦の投稿が話題になっている。「家計のモラハラではないか」という批判の一方、「うちもそうです」という声も少なくない。専業主婦のお小遣い事情はどうなっているのか?「夫の給料額を知らない妻」は4人に1人いるさて、専業主婦たちはどうお小遣いをひねり出し、貯金をしているのだろうか。回答者たちからはこんなコメントが――。「旦那から毎月お小遣いもらえるし、両方の実家から臨時でお小遣いもらえたりする。それで好きなもの買って余ったら貯められるよ。旦那が快適に働けるように家事を頑張っているのだから、専業は自分のお金がもらえなくて当然っていうのはおかしい」「えっ、実家から小遣い?あなたに?それって専業は普通なの?実家にはお金を入れるものだと思っていた」「私も夫と実家の親からお小遣いもらっています。お小遣いというか、非課税の範囲での生前贈与なのかな。基本は夫からのお小遣いで足りますが、少し高価なものを買うときは親からのお金で払っていますよ」ところで、投稿者のように「夫の給料額を知らない」という妻は意外に多く、全体の4分の1近くいることがわかった。投信投資顧問会社スパークス・アセット・マネジメントが2018年11月に発表した「夫婦のマネー事情と夫婦円満の投資に関する調査」によると、妻の23.6%(夫では37.0%)が「配偶者の収入額を知らない」と答えている。そのうち13.5%(夫では27.6%)が「把握したいとも思わない」と答えているのだ。夫から小遣いをもらう人は6割、残りは自力で工夫するまた、専業主婦はどうやってお小遣いをひねり出しているのか、そして毎月のお小遣いの額はいくらくらいなのだろうか。2019年11月、ホームページ制作会社ビズヒッツが運営する生活サイト「暮らしの小箱」が、「既婚女性1000人を対象にアンケート:妻のお小遣いは平均いくら?」という調査をまとめて発表した。それによると、専業主婦は「夫の給料から」お小遣いという形でもらっているのが60%という結果に。残りの4割は、自力でお小遣いを捻出しているのだ。その方法は「家計のあまり」で30%。「働いていた頃の自分の貯金から」が7%。「アンケートサイトやフリマアプリなどのポイントを貯めて」が6%、さらに児童手当など公的な各種手当てからの捻出が2%と、非常にチマチマと苦労してひねり出しているのがわかった=図表1参照。(図表1)専業主婦の小遣い捻出法(ビズヒッツ制作)こうして手に入れた専業主婦全体のお小遣いの平均額は1万3391円だが、全体の約8割を占めるボリュームゾーンの平均額は7876円だった。共働き妻のお小遣いのボリュームゾーンの平均額2万4671円に比べると、3分の1だ。専業主婦の中には、「お小遣いがない」と回答した人も全体の15%もいたのだ=図表2参照。(図表2)専業主婦の小遣い額平均(ビズヒッツ制作)(福田和郎)
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