2020年 9月 26日 (土)

【日韓経済戦争】第2ラウンドは「特許戦争」か! 日本の反撃に戦々恐々の韓国経済界「文大統領よ、勝った勝ったと日本を刺激するのはやめて」

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   昨年(2019年)7月の日本の輸出規制に始まった日本と韓国の対立。韓国側が今年(2020年)、「日本に勝った、勝った!」と一方的に勝利宣言をして以来、膠着状態に入ったかに見えたが......。

   日本は密かに爪を研ぎ澄ませて、鉄槌を振り下ろす機会をうかがっていたようだ。その日本の恐ろしげな影の様子を韓国紙が伝える。

  • 「韓国版ニューディール」をぶち上げた文在寅大統領
    「韓国版ニューディール」をぶち上げた文在寅大統領
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「ある日本人」が次々と日本の裁判所に現れては......

   日本の反撃が静かに、そして不気味に始まっていること中央日報(2020年9月7日付)が伝える。見出しからして「『韓国の素材・部品・装備国産化』の裏で笑う日本... 特許訴訟で反撃始まった」と、恐ろしげだ。

「7月(2020年)に日本のある個人がLG化学(編集部注:韓国最大手の総合化学メーカー)を相手取り、特許登録に対する異議申し立てを日本の裁判所に提起した。LG化学が登録したリチウムコバルト酸化物を含む二次電池用活物質特許と製造方法特許を取り消してほしいという内容だ。3月にはまた別のある日本人が韓国の半導体装備メーカーの高迎(コヨン)テクノロジーを相手取り特許への異議を申し立てた。この会社は半導体回路基板検査装備関連の特許を多く保有している」

   こうして、「ある日本人」が次々と日本の裁判所に現れては、韓国企業の特許取り消しの異議申し立てを行っていく記述が淡々と続く。相手の韓国企業はLG化学や大手鉄鋼メーカー、ポスコなどの大企業だけでなく、韓国内でもあまり知られていない中小企業も含まれる。中央日報が調べると、半導体部品の重要な素材製造を担っていた。その特許に対する異議申し立てを行ったのだ。

   中央日報が続ける。

「特許検索サイト『キーワート』などによると、今年(2020年)素材・部品・装備と関連して日本が韓国を相手に提起した特許訴訟は6件だ。昨年は4件だった。大韓弁理士会のパク・スングァン研究官は『韓国国内で発生する特許紛争が年間で通常50件程度である点を考慮すれば決して少ない数ではない』と話す」
「注目すべきは日本で提起された訴訟の大部分が『異議申し立て』形式という点だ。異議申し立ては特許無効訴訟や侵害訴訟に先立ち『特許資格がないので登録を取り消してほしい』として起こす訴訟だ。パク研究官は『異議申し立ては法人だけでなく利害関係がない個人も出すことができる。本格特許訴訟の前段階で企業がしばしば使う戦略』と話した。日本の相次ぐ特許異議申し立ては本格的な韓日『素材・部品・装備特許戦争』の序幕という話だ」

   つまり、日本企業としてではなく「ある日本人」という個人が次々と「異議申し立て」をしていく様子は、本格的な「特許戦争」の前触れというわけだ。また、その陰には個々の企業だけでなく日本政府の影がちらついているという。

「特許強国の日本は、裏で会心の笑みを浮かべている」

次期総理と目される菅義偉氏の判断で「日韓特許戦争」勃発か?
次期総理と目される菅義偉氏の判断で「日韓特許戦争」勃発か?

   昨年(2019年)7月の日本政府による半導体部品「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」「フォトレジスト」の3品目の輸出管理強化(輸出規制強化)に端を発した「日韓経済戦争」。韓国側は今年5月11日、3品目すべての国産化や安定供給に成功したと「勝利宣言」を行った。

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、「日本に勝った、勝った」と大ハシャギする文在寅政権の模様を2020年5月13日付「【日韓経済戦争】日韓衝突から11か月 韓国が『勝利宣言』? 日本の輸出規制中、ついに官民一体で『脱日本』に成功!」と報じた。

   そして、文在寅大統領は2020年7月、韓国経済再生の大事業「韓国版ニューディール」の概要を発表した。これは、1930年代の大恐慌時代にフランクリン・ルーズベルト米大統領が行った大政策を模したもの。(1)追従型の経済から先導型の経済へ(2)炭素依存経済から低炭素経済へ(3)不平等社会から包容社会への発展――が3本柱だ。2025年までに160兆ウォン(約14兆円)を投じ、新たに190万人の雇用創出を目指す。

   この中には、デジタルと半導体部門を経済成長戦略の中心にすえ、日本からの依存を完全に脱することも含まれている。文大統領は9月4日の「知的財産の日」の演説で、

「知的財産の力によって日本の対韓輸出規制を克服することに成功した」(聯合ニュース・2020年9月4日付)

と胸を張ったのだった。

   しかし、先の中央日報(2020年9月7日付)が、こんな財界の懸念の声を伝える。

「韓国政府が実績アピールにこだわって素材・部品・装備の『脱日本』政策を押し進めるのは困るという懸念が、経済界から出ている。確かに日本が最初にターゲットとした3大半導体素材の国産化が一部進展した。だが、日本は伝統的に素材・部品・装備に強い国だ。韓国の対日依存度は依然として高い。韓国貿易協会によると、今年1~5月基準で、各種潤滑油の製造に使われるベースオイルの対日輸入依存度は94.8%、半導体製造装備の依存度は86.8%、精密化学原料の依存度は78.1%に達する」

   日本と相互依存で協力していかないと経済が回らないのが実態なのに、日本と本気で争うのは愚の骨頂というわけだ。中央日報は、こう結んでいる。

「電子業界のある役員は『特許強国である日本は、裏で会心の笑みを浮かべているだろう。韓国の素材・部品・装備国産化が熟する時を待ってから、特許の弱点を狙って攻撃することもあり得る』と話した。大韓弁理士会会長を務める特許法人ハナのホン・チャンウォン代表は『日本の場合、特許の核心内容を巧妙に隠したまま権利範囲が広い特許を出願するケースが多い。生半可な特許は日本の特許の網にかかる可能性が大きい。韓国も強い特許ポートフォリオ(編集部注:企業が出願・保有する特許網)を急いで構築して、日本の特許攻撃に備える戦略を用意しなければならない』と話した」

   文大統領が胸を張った「知的財産の分野」でも、まだまだ日本に後れをとっているというわけだ。

(福田和郎)

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