2021年 2月 27日 (土)

コロナ禍でも堅調に推移する不動産セクターがある!?(中山登志朗)

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賃貸セクターもコロナの影響は限定的

   さらに、賃貸セクターについてもコロナの影響は限定的と言えます。

   前回(2020年10月13日付「コロナ禍で打撃を受けた不動産セクター 足元の状況はどうなっているのか!?」)のコラムでお伝えしたように、LIFULL HOME'Sの「借りて住みたい街ランキング緊急調査」では、賃借人の意向がやや郊外方面に向いているという結果が明らかですが、これは賃貸のユーザーがどこのエリアで数多く検索したり問合せしたりしているかをランキングしたものであり、実際に住み替えた結果を示したものではありません。

   つまり、コロナ感染症のリスクを下げたり、テレワークになって都心近郊に住み続ける必要を感じなくなったり、景気悪化による収入の減少を想定して郊外方面の物件を探したりする意向は顕著ですが、それが実際の動きとなって表れてはおらず、現状では賃料の低下や賃借人の減少などは発生していません。

   ただし、これまで順調に転入超過(首都圏近郊に転入してくる人の数が転出する人の数を上回る状況)を続けて人口の「社会増」を背景に順調に運営してきた賃貸セクターも、ここ数か月は移動人口が転出超過していることを考慮すれば、それほど遠くない将来に需給バランスが崩れてくる可能性を、あらかじめ考えておく必要があると思われます。

   新型コロナウイルスの感染拡大が今後収束するか、それとも冬に向かって再拡大するのかによって、想定されるシナリオは大きく変わりますが、コロナ禍で継続してきた自粛によって経済活動が縮小し、景気の冷え込みはこれから本格化する可能性が高いと考えるべきです。

   そうなるとコロナ禍の直接的な影響とは別に、都心近郊に住み続けられなくなる人が増える可能性は高まりますから、住宅の売買、賃貸、投資など、あらゆる局面でコロナ禍の影響をどのように織り込んで経済活動を継続していくかを、この時期から考えておきたいものです。

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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