2024年 5月 5日 (日)

カラ売り専業ファンドが進出したら、日本企業はどうなる?

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

株価上昇する「踏み上げ」とは?

   巨大医療グループ・東堂メディカルと闘ったケースでは、和文と英文で、こんな見出しの長文レポートをネットに発表する。

「強力売り推奨! 東堂メディカル、国立病院に不当価格で医療機器販売か!?」

   記事の発表で、株価は2800円台からいったん1700円台まで落ちたが、その後1900円台まで盛り返した。パンゲアは2860円で40万株をカラ売りしたので、約3億6000万円の含み益を出した。

   しかし、翌日、東堂メディカル株はストップ高となり、一気に2300円台に高騰した。公的年金の積立金の運用を行っているJPIF(日本公的年金運用基金)が、大量の買い注文を入れたためだった(注、年金積立金管理運用独立行政法人=GPIFをフィクション化したもの)。

   JPIF のCIO(最高投資責任者)の女性から北川に電話がかかってくる。

「あなたがたは、あんな憶測まみれのレポートを出して、市場を混乱させて、金儲けしようなんて、もはや犯罪ですよ! 金商法(金融商品取引法)違反ですよ!」

   市場ではJPIFに追随する投資家も増え、東堂メディカルの株価は3000円近くまで上昇し、2860円でカラ売りしたパンゲアは含み損を抱えた。

   さらに株価は3850円に急上昇。信用売り(カラ売り)の残高を示す水色の棒グラフが、急激に短くなった。「踏み上げ」が起きているのだった。

   株価上昇局面でカラ売りのポジションを解消するには、株を高値で市場から買い戻さなくてはならず、それがさらなる株価上昇を招く。カラ売り屋が最も恐れる「踏み上げ」という現象が起きていた。

   4000円を突破したが、カラ売りのポジションを維持し、闘い続ける北川らは、東堂メディカルに関する、ある情報を入手する......。

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中