2021年 10月 18日 (月)

コロナ禍の2020年 欧米に比べて感染者少ない日本、それなのに経済は......(上)(小田切尚登)

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   新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済に第2次世界大戦以来の打撃を与えた。なかでも、サービス業へのショックが最も大きかった。ホテル、レストラン、エンタメ、観光・旅行などの打撃が大きく、それらの産業を中心となって支えてきた女性が最も大きな被害を受けた。

   人口が集中していてサービス業の中心となっている都市部の被害が大きいことも特徴である。会社への通勤から自宅勤務という変化が訪れ、人々がネットを使う時間が増した。そのためITなどの一部の業界の業績は良かった。

  • 2020年、コロナ禍で世界経済は大混乱した
    2020年、コロナ禍で世界経済は大混乱した
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分断された米国と習近平「独裁」体制の中国

   2020年の米国の状況を振り返ってみよう。米国では特筆すべき大きな事象が、3つあった。まず新型コロナウイルスの感染拡大であるが、その影響は日本などよりはるかに大きかった。感染者は1880万人を超え、死者が33万人に近づいている(12月28日WHO統計による)。

   そして、コロナ以外では人種問題がクローズアップされた。5月25日に黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害されたことに端を発して、人種差別反対の運動が全米で活発化した。暴動に発展した地域もあり、米国全土が混乱に陥った。

   3つ目は11月3日に行われた米大統領選である。本来ならば4年に一度のこの選挙が2020年最大のイベントになるはずであった。民主党のバイデン候補が当選したことは、みなさんご存知のとおりだが、選挙によりトランプと反トランプの争いが激しくなり、米国はより深い分断に引きずり込まれることとなった。

   今や米国では経済も文化も科学も、およそ重要な課題はすべて政治的な対立の観点から論じられることになってきており、まともな議論は生まれにくい状況である。

   中国では対照的な動きとなった。もともと新型コロナウイルスは2019年末に武漢で新種の肺炎が報告されたことに端を発したわけで、中国は20年初、世界で最も危惧された国であった。

   しかし、その後中国の感染者・死者はともに急激に減少した。そのため成功例と言われることが多い。確かに日本などと同様に感染率が欧米よりずっと低いことは間違いないと思うが、新規感染者がほとんどゼロなどというのは到底信用できる数字ではない。習近平の独裁体制がさらに強化されている中で、公表されたデータを鵜呑みにするのは危険だ。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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