2024年 4月 19日 (金)

飲食店に「網かけ」「GoTo」でふっ飛んだ緊張感 緊急事態宣言「発令」できないガースー首相に怒りの声(1)

   菅義偉首相は2021年1月4日、年頭の記者会見で、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大の対策のため、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を対象に緊急事態宣言を発令することを「検討する」と表明した。

   東京都の新規感染者が昨年の大晦日に1300人を超えたことをはじめ、首都圏で正月三が日も高止まりを続けていることを受けた形だ。

   しかし、この危機的状況に及んでもまだ「検討する」という歯切れの悪い物言いと、自分は「多人数で会食」しながら飲食店に責任転嫁をするガースー首相に、

「もう誰もあなたにコロナ対策を期待しません!」

   と厳しい怒りの声が起こっている。

  • 結局「検討する」としか言わなかった菅義偉首相(1月4日のNHKテレビニュース)
    結局「検討する」としか言わなかった菅義偉首相(1月4日のNHKテレビニュース)
  • 結局「検討する」としか言わなかった菅義偉首相(1月4日のNHKテレビニュース)

「1都3県が悪い」という非難に終始した菅首相の会見

   1月4日11時、年頭記者会見に臨んだ菅義偉首相は、新型コロナウイルスの感染拡大対策で東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令することを「検討する」考えを表明した。

   この中で菅首相が強調したのは、1都3県に対する「非難」だった。こう述べたのだ。

「過去2週間、全国で感染が拡大したが、その半数を首都圏の1都3県が占め、抜きん出て多い。年末年始の人出は多くの場所で減少したが、東京と近県の繁華街の夜の人出はあまり減らなかった。経路不明の感染原因の多くは、飲食によるものと専門家が指摘しており、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮にご協力いただくことが最も有効だ。北海道や大阪など時間短縮を行った県は結果が出ており、感染者が下降線をたどっている。こうした状況を深刻に捉えて、1都3県について、より強いメッセージが必要であると考えた」

   つまり、飲食店に22時までの営業を許している1都3県、特に東京都の対応が「甘すぎるから感染者が増えている!」と強く批判し、1都3県だけを対象に緊急事態宣言を発令するというわけだ。

   ただし具体的内容は、例によって「検討する」と一切明らかにせず、政府の新型コロナ対策会議の諮問委員会にはかったうえで詰めるとした。主要メディアの報道によると、7日に諮問委にはかり、政府対策本部で正式に決めて8日(金曜日)午前0時の開始となる。期間は1か月を想定。小中高校への一斉休校の要請はしない方針だ。

西村康稔経済再生相(中央)に緊急事態宣言発令の要請をした1都3県の知事たち(1月2日のNHKテレビニュース)
西村康稔経済再生相(中央)に緊急事態宣言発令の要請をした1都3県の知事たち(1月2日のNHKテレビニュース)

   昨年4~5月の緊急事態宣言時と異なり、学校現場やイベント全般にまで厳しい自粛を求める内容ではなく、飲食店の時短や企業へのテレワーク要請などを中心とした限定的・集中的なものになりそうだ。

   また、1月11日までを期限として全国一斉に停止していた「GoToトラベル」の再開について記者会見で聞かれると、菅首相はニヤニヤ笑いながら、

「緊急事態宣言となれば、GoToトラベルの再開はなかなか難しいのではないか」

   と述べ、当面「GoToトラベル」の再開はないという考えを示した。

   今回の緊急事態宣言については1月2日、小池百合子東京都知事、大野元裕埼玉県知事、森田健作千葉県知事、黒岩祐治神奈川県知事の1都3県の知事が西村康稔経済再生担当相に急きょ面会し、政府が発令するよう求めていた。

   その際、西村経済再生担当相は4都県の知事に対して「緊急事態宣言の検討前に直ちに行うべき措置」として次の4項目を迫っていた。

(1)飲食店やカラオケ店などの営業時間は(昨年4~5月の緊急事態宣言下と同様に)20時まで、酒類の提供は19時までとする。いずれも要請に応じた店には国の支援を拡充する。都県民には20時以降の不要不急の外出の自粛を要請する。
(2)企業のテレワークを徹底する。
(3)職場や学校での感染防止策を徹底する。
(4)イベントの開催要件を厳格化する。

   4項目のうち、特に(1)の飲食店の時短営業は、政府からやり玉にあがった内容だ。1都3県の知事は1月4日、足並みをそろえて8日から20時までの営業にするよう要請することを決めた。

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