2024年 4月 25日 (木)

大学卒業式「心に響く学長の挨拶」はコレだ! 会社ウォッチ編集部が独断で選んだ珠玉の言葉(1)

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信州大学長「渋沢栄一の『本質直観力』を持て」

   福山市立大学の田丸敏高学長は、「和歌」を贈った。

福山市立大学の田丸敏高学長(公式サイトより)
福山市立大学の田丸敏高学長(公式サイトより)
「みなさんの卒業をお祝いする言葉を探しているとき、ある歌が浮かんできました。
暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき はるかに照らせ 山の端の月
平安時代の歌人・和泉式部が詠んだ歌です。この1年を振り返ったとき、私はこの歌に共感を覚えます」

   新型コロナウイルスのの感染拡大によって、福山市立大学でもオンライン授業で学業を続けてきた。まさに「暗きより 暗き道にぞ 入りぬべき」という苦戦・苦労の連続だったわけだ。田丸さんはこう続けた。

「平安時代も疫病や震災が続き、暗き道を感じざる得ないことは同様だったのでしょう。それでも、山の端(はし)に見える月を頼りに人生を歩んでいこうとする姿に私は強い感銘を受けます。さて、大学にとって月とは何でしょうか。それは学問に裏付けられた真理(truth)です。みなさんは、児童教育学あるいは都市経営学という学問に裏付けられた真理を追究してきました。真理は暗き道を月のように照らしてくれる存在です」

   田丸さんは、さらに「太陽は何か」と続けた。

「では、どうして月は明るく照らすことができるのでしょうか。それは太陽があるからです。では、太陽は何であると考えられるでしょうか。それはみなさんご自身のことです。みなさんが輝いてこそ、学問も意味を持つことができます。苦難の時も自らの輝きに対して自信を持って人生を歩んでください」
信州大学の濱田州博学長(公式サイトより)
信州大学の濱田州博学長(公式サイトより)

   今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公、渋沢栄一を取りあげた学長も何人かいた。信州大学の濱田州博(はまだ・くにひろ)学長はこう語った。

「大河ドラマのタイトル『青天を衝け』は、渋沢栄一自身が18歳の時に現在の長野県佐久市にある内山峡で詠んだ漢詩の一節に由来しています。漢詩には、渓谷美に感動した様子と、非常に困難な時代を切り開こうとする心意気が見て取れます。渋沢について3点、みなさんに紹介したいと思います。1点目は『本質直感力』です。渋沢は瞬時に物事の本質を捉える力が優れていました。みなさんも既成概念にとらわれずにものを見る力、本質直感力を鍛えて下さい。
2点目は『逆境力』です。渋沢は『逆境というのは必ずあるものだから、まずはそれが人為的な逆境なのか、自然的な逆境なのかを区別しよう』と助言しています。自然的な逆境の場合には、耐えていく中で逆境力を鍛えて下さい。3点目は『知・情・意のバランス』です。『知』は知性や判断力、『情』は人に対する思いやり、『意』はこれをやり遂げるのだという意志です。知・情・意がバランスよく発達している人が常識のある人間と言っています。ぜひ知・情・意のバランスを大切にして下さい」
大阪樟蔭女子大学の北尾悟学長(公式サイトより)
大阪樟蔭女子大学の北尾悟学長(公式サイトより)

   大阪樟蔭女子大学の北尾悟学長は、女子学生を前に渋沢栄一のあまり女性向けとは思えない言葉で激励した。

「渋沢栄一の言葉に『四十、五十は洟(はな)垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ』があります。人生100年時代、これからの世の中、前とは異なる新常態に出くわす局面となった時、違和感を覚えることもあるでしょう。違和感は正常な感覚ですが、何に違和感を持ったのか、社会人になっても学問を続けて明らかにして、前向きに人生を歩んで下さい。この姿勢が、内面の美しさを形づくります。まさしく本学のグランドデザイン『美beautiful(知性・情操・品性)を通して社会に貢献する』につながります。ひとりひとりが美しい花を咲かせてください」

   ちなみに渋沢栄一は91歳で亡くなるまで、財界活動と社会福祉活動を続けている。

(福田和郎)

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