2024年 4月 25日 (木)

【7月は応援! 五輪・パラリンピック】遠くのオリンピックより、近くのチームのほうが大切だ!

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地方大学の野球部が躍進した!

   さまざまなデータを挙げて、地方のスポーツの躍進ぶりを検証している。その中で、「へぇー」と思ったことの一つに、地方大学野球部の躍進がある。1965年から2010年までの45年間のプロ野球選手の出身大学ランキングを見ると、1位法政大学78人、2位早稲田大学62人、3位駒沢大学57人など、東京六大学と東都大学野球連盟が圧倒的な数を輩出している。

   ところが最近は、地方大学出身のプロ野球選手が増えているというのだ。2016年から18年間で3年間の大学卒ドラフト指名選手の所属大学を見ると、東京六大学と東都大学野球連盟といった老舗の影は薄くなり、首都圏では創価大学、白鷗大学(栃木県)、地方では富士大学(岩手県)、中部学院大学(岐阜県)などからも複数が入団していることがわかる。

   全日本大学野球選手権大会の優勝校も2013年の上武大学(群馬県)、16年の中京学院大学(岐阜県)、18年の東北福祉大学(宮城県)と地方の大学が目立つようになった。

   地方にある学校が中央の学校に堂々と対抗している姿は、「沈滞しがちな雰囲気にある地方の人々に活力と希望を与える」効果がある、と評価している。

   東京一極集中の日本社会を変革するツールとして、プロスポーツチームの地方分権化という本書の主張は、受け入れやすいものだろう。スポーツ以外の政治、経済、文化の分野での地方分散化政策の点も書かれている。入口はスポーツだが、出口は東京一極集中の打破という大きな目標を掲げた「警世の書」である。

   コロナ禍での東京大会開催という異例の事態となったオリンピック。ここから新しい何かが生まれるか、注視したい。(渡辺淳悦)

「『地元チーム』がある幸福」(橘木俊詔著)
橘木俊詔著
集英社
880円(税込)

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