2024年 4月 20日 (土)

ホロコースト問題まで飛び出した!? 海外メディアが報じる「アウトな東京五輪」(井津川倫子)

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   やはり、東京五輪・パラリンピックは「Cursed' Olympics」(呪われた五輪)なのか――。

   これまで数々のトラブルに見舞われてきた東京五輪ですが、開会直前になって超ド級の爆弾が次々と炸裂しています。音楽家の小山田圭吾氏が過去の壮絶いじめ問題で開会式の作曲担当を辞任したかと思えば、今度はショーディレクターの小林賢太郎氏が、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)をパロディーにしたとみられる過去の動画が拡散。これにユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が非難声明を出して、深刻な国際問題に発展してしまいました。

   一方、海外メディアでは「東京五輪中止」の可能性を伝えるニュースが飛び交うなど、「安心・安全な大会」とはほど遠い状況に。東京五輪のキーワードは「out」(アウト)のようです。

  • いよいよ開幕! 東京オリンピック(写真は、開会式のイメージ。公式ホームページより)
    いよいよ開幕! 東京オリンピック(写真は、開会式のイメージ。公式ホームページより)
  • いよいよ開幕! 東京オリンピック(写真は、開会式のイメージ。公式ホームページより)

そして、「みんな五輪からいなくなった!」

   「Cursed' Olympics」(呪われた五輪)ならぬ、「不祥事オリンピック」の体を成してきた東京五輪・パラリンピック。関係者の鈍感ぶりが日に日に明らかになり、日本人として恥ずかしくなるような展開になってきました。

   音楽家の小山田圭吾氏の辞任騒動が収まらないうちに、今度は開会式と閉会式のショーディレクターを務めるコメディアンの小林賢太郎氏が、ホロコーストをパロディーにしたとみられる動画がインターネット上で拡散。直ちに、米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、「反ユダヤ主義の発言」として非難する声明を発表しました。

Holocaust Joke Lands Olympics Opening Director in Hot Water
(ホロコーストに関するジョークで、開会式のディレクターが窮地に陥っている)
in hot water:窮地に陥る

   たとえ過去の動画とは言え、ホロコーストをネタにしたコントなど国際的に許されるものではありません。世の中に「やっていいこと」と「やってはいけないこと」があるとすれば、「100%やってはいけないこと」。つまり、どんな弁明も許されないレベルの問題なのです。小山田氏の「いじめ辞任」とはケタ外れの騒動になりそうな予感がします。

   「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、米国カリフォルニア州・ロサンゼルスに本部がある組織です。ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行っていて、国際的に非常に強い影響力を持つとされています。日本でも、同センターの抗議により雑誌が廃刊になったり、アイドルグループの運営会社が謝罪に追い込まれたり、といったことがありました。

   五輪開催前にもかかわらず、相次ぐ関係者の辞任や新型コロナウイルス感染による競技からの欠場。さらに、トヨタら有力スポンサー企業までが東京五輪から「pull out」(引き上げている、参加を取りやめている)と、海外メディアは報じています。

U.S. tennis player Coco Gauff has tested positive for the coronavirus, forcing her to pull out of the Tokyo Olympics
(米国のテニス選手コリ・ガウフがコロナ陽性で、東京五輪を欠場へ:スペインメディア)

More Companies Pull Out of Tokyo Olympics Opening Ceremony
(さらに多くの企業が東京五輪の開会式の参加を取りやめた:ブルームバーグ通信)

Olympics opening ceremony composer pulls out after past bullying surfaces online
(五輪開会式の作曲家が、過去のいじめがネットで表面化して辞任した:米音楽メディア)

   「欠場」も「参加取りやめ」も「辞任」もすべて「pull out」を使うのですね。いずれにしても、選手もアーティストも企業も次々と東京五輪から姿を消していく......。そんな悪夢のような展開が現実となっています。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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