2024年 4月 26日 (金)

増えた山岳遭難、減った海・河川の水難事故 その原因はコロナ禍にあり! 50代、60代の登山者多く(鷲尾香一)

秋に増える登山 的確な計画と万全の装備品で!

   山岳遭難者597人の目的では、登山が454人(76.0%)と最も多く、次いでハイキング46人(7.7%)となっている。遭難の理由では、道迷いが179人(30.0%)と最も多く、次いで転倒が121人(20.3%)、滑落が99人(16.6%)の順。年齢では50歳代および60歳代がともに123人(20.6%)と最も多く、次いで70歳代が109人(18.3%)、40歳代が81人(13.6%)となっている。

   都道府県別の発生件数では、最も多かったのが長野県の88件、次いで北海道の40件、富山県の39件だった。

   一方、水難では海で295人(52.2%)、河川で203人(35.9%)が発生している。このうち、海では94人、河川では87人の死者・行方不明者が出ている。また、水遊びで142人、水泳で86人、魚とり・釣りで80人な水難に遭っている。

   ただ、いずれも前年に比べて減少しており、特に魚とり・釣りは前年比で50人減少した。

   子供の死者・行方不明者16人のうち、河川では9人(56.3%)、海では4人(25.0%)で、水遊びで6人(37.5%)、水泳で4人(25.0%)となっている。

   なお、新型コロナウイルスの感染症対策により、不開設となった海水浴場での水難者数は52人で、このうち死者・行方不明者数は13人だった。

   都道府県別の発生件数では、最も多かったのが静岡県の35件、次いで北海道、沖縄県がともに22件、茨城県が21件だった。

   夏期を過ぎたことで、今後、水難は減少し、山岳遭難が増加する時期に入ってくる。特に、コロナ禍の中にあっては、「密」を避ける意味もあり、余暇を野外で過ごす人たちが増加しており、登山やハイキングは一種のブームとなっている。

   警察庁では山岳遭難の防止策として、的確な登山計画と万全の装備品を準備したうえで、信頼できるリーダーを中心とした複数人による登山とすること、登山計画を家族や職場等と共有しておくこと、さらに道迷い防止、滑落・転落防止に注意することを呼び掛けている。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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