2021年 12月 4日 (土)

チームの成果を早く出そうとするほど成果は遠のく!? マジメな上司のジレンマ(前川孝雄)

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   【リモートワークで働きがいある職場を創る〈第2回〉】今回は、前回取り上げたリモートワーク下で急増している上司の悩みや、「部下の仕事ぶりが見えない」「部下の人事評価が難しい」などのストレスをどのようにとらえ、いかに克服するか、解説していきます。

   参考リンク:リモートワークで働きがいある職場を創る【第1回】「リモートワークで管理職の悩み急増? 問われる本物の上司力(前川孝雄)」(J-CASTニュース 会社ウォッチ2021年10月26日付)

  • リモートワークでマジメな上司が陥るリスクとは?
    リモートワークでマジメな上司が陥るリスクとは?
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マジメな上司が陥るクイック・ウィン・パラドックスのリスク

   まず、リモートワーク下で職責意識が高くマジメな上司ほど陥りがちなリスクを、どのように理解すればよいでしょうか。

   ハーバード・ビジネススクールのリーダーシップを教えるリンダ・ヒル教授が、新任管理職にありがちな問題行動を調査分析して明らかにした「5つの落とし穴」が、そのヒントになります=図1参照

図1:成果を上げられない管理職が陥る5つの落とし穴
図1:成果を上げられない管理職が陥る5つの落とし穴

   具体的には、(1)隘路(あいろ)に入り込む ―狭い路地に迷い込んだように周囲が見えなくなり、自分ですべてを解決しようとする(2)批判を否定的に受け止める―部下の異なる意見を自分への批判と受け止め、聞き入れられなくなる(3)威圧的である―管理職の自分に権限があるからと、一方的に命令や叱責を行う(4)拙速に結論を出す―部下の意見や状況を顧みず早く解決しようと、決めつけて判断する(5)マイクロ・マネジメントに走る―部下を自分の操り人形のように微に入り細に入り指示し、動かそうとする...という行動です。

   こうなると、部下の心は余計に離れてしまい、やる気を失い、マネジメントは空回りし始めます。すなわち、早い成果を出そうとの焦りが、かえって成果を遠のかせるジレンマ―クイック・ウィン・パラドックスに陥ってしまうのです。

   アメリカの政治学者でリスク分析の専門家であるイアン・ブレマーは、この世界的コロナ禍は私たちの一生で最大の危機であり、今まで認識はしつつも、きちんと対処してこなかった課題が一気に噴出すると指摘します。そして、1~2年の間に、5年から10年分の変化に直面することになると予言しています。

   クイック・ウィン・パラドックスはコロナ禍以前に打ち出されていたコンセプトですが、部下の仕事ぶりが見えづらい焦りから、さらに起こりやすくなっているといえます。 つまり、リモートワークの急速な普及によって、本質的なマネジメントの変革が、正に待ったなしの急務になったといえるのです。これを機に、上司に求められる本来の役割を正しくとらえ直し、自己変革を果たし、リモートワーク下でも上司の本領を発揮することが望まれます。

前川 孝雄(まえかわ・たかお)
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。(株)リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業㈱FeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年(株)働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業 審査員なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は「50歳からの逆転キャリア戦略」(PHP研究所)、「『働きがいあふれる』チームのつくり方」(ベストセラーズ)、「コロナ氷河期」(扶桑社)、「50歳からの幸せな独立戦略」(PHP研究所)、「本物の『上司力』」(大和出版)など30冊以上。最新刊は「人を活かす経営の新常識」(FeelWorks、2021年9月発行)
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