2021年 12月 6日 (月)

テレワークに思わぬ「落とし穴」! コロナ禍後も継続する企業は1割?【テレワークに役立つ一冊】

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   11月は総務省の「テレワーク月間」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、一気にテレワークが浸透したが、新規感染者の減少とともに再び職場に通勤する人が増えてきた。しかし、テレワークの大きな流れは止まらないと見られる。今月は、テレワークや電話、コミュニケーションに関連する本を紹介しよう。

   本書「テレワークの『落とし穴』とその対策」は、テレワークを導入した結果、会社・上司と社員がそれぞれはまる「落とし穴」とその対策をまとめた本だ。

   テレワークを推奨する本かと思ったら、意外と厳しい見方をしており、新型コロナウイルスの終息後もテレワークを継続する企業は全体の1割という専門家の予測を紹介している。一方、厚労省、総務省などのテレワーク導入の手引きも多数掲載しているので、導入を考えている企業にはガイドブックとして利用できるだろう。

「テレワークの『落とし穴』とその対策」(小林剛著)大空書房
  • テレワークには「落とし穴」がある!?(写真はイメージ)
    テレワークには「落とし穴」がある!?(写真はイメージ)
  • テレワークには「落とし穴」がある!?(写真はイメージ)

米国ではテレワークを疑問視する企業も

   著者の小林剛さんは元毎日新聞記者。大阪、東京の経済部、週刊「エコノミスト」編集部などで勤務。現在はライター。本書はほぼネットに公表された情報をもとに書いているというから、本書自体もテレワークの賜物と言えよう。

   第1章がいきなり、テレワークに水をかけるようなタイトルだ。「米IBM、米ヤフーは在宅勤務を廃止していた」。米国ではテレワークを疑問視する企業があるというのだ。導入後に会社の業績が悪化したりすれば、逆戻りすることもある。テレワークのパイオニア的存在だった両社で何かあったのか?

   米IBMのリモートワーク(テレワークと同じ意味)は数十年続いており、従業員の40%以上が会社の外で働いていたと自慢していたほどだ。ところが2017年5月、突然、米国内の数千人のIBMリモートワーカーに対し、「自宅の仕事スペースを放棄して地域のオフィスに移るか、さもなければ会社を辞めてもらいたい」と迫ったのだ。

   会社で、対面で仕事をしたほうが協働の効果を得やすいという説明だったが、当時、業績が悪化していたので、「密かなレイオフ」という見方もあった。今回の新型コロナ感染拡大で、社員に家にとどまるよう要請しているが、過去の在宅勤務プログラムを復活させたわけではないという。

   米ヤフーの在宅勤務禁止令は、2013年2月のことだ。6月までに転居してでもオフィスに出勤できるようにせよという厳しいもので、社員は反発、メディアからも批判された。「集団になったほうがイノベーティブになる」と会社は説明したが、業績は完全には回復せず、2017年6月、中核事業を米大手通信会社、ベライゾンに売却、社名もアルタバに変更した。在宅勤務禁止が効果をもたらしたとは言えない結果に終わった。

   小林さんは、日立製作所や富士通など日本の大企業がテレワークを継続する動きを紹介し、「週2~3日は在宅」という日立の選択には、「在宅勤務のメリットは捨てがたいので導入するものの、どうしても生じるデメリットは、オフィスでの勤務で解消しよう」という狙いがあるのでは、と推測している。

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