2024年 5月 9日 (木)

「電波オークション」で携帯電話料金は安くなる? 「賛成」に豹変したドコモVS「大反対」楽天の対決

NTTドコモ「豹変」に激高した楽天の三木谷社長

   ところが、風向きが大きく変わったのは、11月16日に行われた総務省の有識者会議「新たな携帯電話用周波数の割当方式に関する検討会」の2回目の会議の席上だった。NTTドコモの井伊基之社長が、突然、「電波オークション導入」の賛成に転じたのだった。携帯電話大手としては初めてのことだ。

電波オークションをするべきだとするNTTドコモの資料(総務省公式サイトより)
電波オークションをするべきだとするNTTドコモの資料(総務省公式サイトより)

   井伊社長はこう述べたのだった。

「(現在の携帯電話環境は)音声のみならず、人と人、人と機械、機械と機械、といった多様な通信を実現するICT基盤として成長している。人の加入数は飽和状態になっており、今後の増加は見込めず、これからはIoTやAIなどの新たな技術急速な進化と機械による通信利用が今後増加していく。
これまでのような5年後7年後の基地局開設計画を事業者がコミットするやり方では、ネットワーク構築の柔軟性を確保できなくなる。オークションによる周波数の割り当ては透明公平で、グローバルスタンダードになっている。価格の透明性や、将来の需要の変化への柔軟性をもったオークション方式を、今後の割り当ての方針として検討することは価値がある」=上図参照

   一方、この日の会合に同席したKDDI(au)の高橋誠社長は、

「審査方法に、客観性・中立性・透明性が確保されることを望む」
楽天の三木谷浩史社長がNTTドコモに激怒したTwitter
楽天の三木谷浩史社長がNTTドコモに激怒したTwitter

と強調したくらいで、特に電波オークションについては賛否を明らかにしなかった。

   このNTTドコモの井伊社長の「豹変」に激怒したのが、楽天モバイルの三木谷浩史会長だ。自らのTwitterにこう書き込んだのだった=左写真参照。

「電波オークションは、NTTドコモなど過剰に利益をあげている企業の寡占化を復活するだけで、最終的にはせっかく下がってきている携帯価格競争を阻害する『愚策』だ。NTTドコモなどにとっては当然資金力に物を言わせて新規参入、競合排除するには漁夫の利だろうね。弊社として大反対」

と、敵意をむき出しにした。

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