2022年 10月 2日 (日)

2025年、この11社が銀行業界に「破壊」をもたらすのか?

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   「2025年、日本の銀行はこの11社に飲み込まれる!」。刺激的な惹句を本の帯に巻いているのが、本書「銀行を淘汰する破壊的企業」(SBクリエイティブ)である。いったいどういうことなのか。気になって読んでみると、想像を絶する過酷な銀行と銀行員の近未来像が描かれていた。

「銀行を淘汰する破壊的企業」山本康正著(SBクリエイティブ)

   著者の山本康正さんは1981年大阪府生まれ。東京大学で修士号取得後、三菱UFJ銀行のニューヨーク支店勤務という条件で同行に就職。その後、ハーバード大学大学院で理学修士号を得て、グーグルに入社。メガバンク、証券会社などの金融機関幹部にフィンテックの導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援してきた。

   現在、ベンチャーキャピタリストとして活動する傍ら、京都大学大学院総合生存学館特任教授も務める。著書に「次のテクノロジーで世界はどう変わるのか」「シリコンバレーのVC=ベンチャーキャピタリストは何を見ているのか」などがある。

口座の概念がないアップルバンクが「銀行」を変える?

   本書はグーグル、フェイスブック、アップル、ペイパル、ストライプ、アント、アファーム、コインベース、キャベッジ、ロビンフッドという、これから銀行業界に大きな影響力を持つ世界最先端の11社を分析することで、2025年の銀行の姿を読み解く「未来予測」書だ。

   書き出しは、現在から2年後の2024年を予測して書かれている。

   ――アップルが開始したアップルバンクが日本に上陸、わずか数カ月後には従来のネットバンキングの口座数を抜き去り、利用者はメガバンクに匹敵する2500万人になった、という記述から始まるのだ。

   アップルバンクは、スマホですべての手続きやサービスが完結する、デジタルバンクだ。最新のiOS、バージョン18のインストール時に、アップルバンクアプリがデフォルトでセットになることで、国内のiPhoneユーザーの約半数が使う、モンスターアプリになるだろう。

   アップルバンクには、もはや従来の口座という概念がない。「Apple ID」と紐づくサービスだからだ。従来の銀行とのやり取りの際には口座が必要だが、特に銀行の窓口に行く必要はない。すべて、ネットで完結する。その最大の特徴は、現金をほぼ使わないことだ。

   そして、アップルバンクに限らず、「2025年の世界」ではデジタル通貨が普及し、これまでの現金に代わり、電子決済が当たり前になっている、と書いている。

   以上が、山本さんの予測だが、夢物語ではない。ほぼそうなるという前提で山本さんは書いている。

   本書のコンセプトは、以下のようになっている。第1部で上述の11社の思惑と銀行業界に起こす3つのトレンドをまず紹介。第2部で銀行が生き残る処方箋を示している。各社の思惑とはこうだ。

・アップルは上述のように、「銀行」の業務を再定義する。
・アマゾンは保険、ローン、手数料などのすべてが破壊的に安く、速い「銀行」を作る。
・フェイスブック(現・メタ)は国際送金に革命を起こす。
・グーグルはグーグルペイですべての金融サービスを意識なく完結させる。
・ペイパルはデジタルバンクをつくり、ネット決済を牛耳る。
・10兆円ベンチャーのストライプは、ネット決済をより簡便にする。
・アントはアマゾンと「二大巨大銀行」になり、世界最速で金融のデジタル化を推進する。
・アファームは「ローン=住宅」の常識を180度変える。
・コインベースはすべての証券取引所と証券会社を淘汰する。
・キャベッジは「低金利」「24時間対応」「10分」のローン審査で銀行のローン事業を破壊する。
・ロビンフッドは堅苦しい金融サービスをゲームのようにする。
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