2024年 4月 20日 (土)

「夏は終わった。オフィスに戻れ!」...相次ぐ「出社命令」どう対応? 海外ではひそかに「在宅勤務延長メールの書き方」が人気(井津川倫子)

   米国では、9月第一月曜日のレイバー・デー(Labor Day)を節目に「オフィスに戻れ」の動きが広がっています。

   コロナ禍ですっかり定着した「work form home」(在宅勤務)ですが、秋の到来とともに「潮目が変わった」との報道も。なかには「在宅勤務がインフレの要因だ」と、景気悪化に結びつける声まで聞こえてきますが、はたしてビジネスパーソンはどう対応するのでしょうか?

   米CNNいわく「新たな戦い」が勃発しているそうです。

  • オフィスに出社するかどうか問題が世界的な話題に(写真はイメージ)
    オフィスに出社するかどうか問題が世界的な話題に(写真はイメージ)
  • オフィスに出社するかどうか問題が世界的な話題に(写真はイメージ)

週5日オフィス勤務は「無理ゲー」?!「せめて〇曜日だけは在宅させて...」

   9月第一月曜日レイバー・デー(Labor Day)は「労働者の日」という意味で、文字どおり労働者を讃える「休日」です。季節的に、「夏が終わる節目」とされているそうですが、2022年のレイバー・デーは、ビジネスパーソンにとって「夏の終わり」となるのでしょうか?

   レイバー・デーを境に、経営者たちが「Back to the office」(オフィスに戻れ)と、声を上げ始めました。とくに、影響力のあるウオール街の金融業界がこぞって「強気」の姿勢を示していることから、米CNNテレビは「バトルがヒートアップ中!」と報じています。

Summer is over. And the battle to get workers back to the office is heating up
(夏が終わった。そして、従業員を出社させる戦いがヒートアップしている:米CNN)

   コロナ禍で「work form home」(在宅勤務)が定着して数年たちますが、経営者としては、何とかして従業員の出社日を増やしたい、というのが本音の様子。つい最近まで、「在宅勤務」を奨励していたはずのビジネス界で、「the tide turns」(潮目が変わってきた)という報道が相次いでいます。

   なかには、先日発表された米国の調査で、2022年第1・第2クールの「labor productivity」(労働生産性)が低下したことに結びつけて、「在宅勤務がインフレの要因だ!」とする荒っぽい主張まで飛び出しています。

   つまり、在宅勤務で生産性が低下していたところに、ウクライナ戦争の影響で原料費が高騰。人件費を含むコスト増を吸収するために「値上げ」を断行して、結果としてインフレを招いている、というのです。

   従業員をオフィスに呼び戻したい気持ちは理解できますが、「在宅勤務」がインフレを招く「諸悪の根源だ」といった主張はさすがに無理があるようです。

   では、こうした「オフィスに戻れ」宣言に、ビジネスパーソンはどう反応しているのでしょうか?

   英BBC放送によると、先日実施された調査では「在宅勤務と出社」を組み合わせた「ハイブリッド型」の勤務体系が一番人気だったとのこと。意外だったのは、「週5日在宅勤務」を望む人はたったの12%で、大部分が「ハイブリッド型」を希望していることです。

   ちなみに、「在宅勤務をしたい曜日」では「金曜日」が一番人気で、それから「月曜日」が続いています。不思議なことに、「金曜日と月曜日は在宅勤務」を望む傾向は、各国のあらゆる調査で同じ結果が出ています。

   「金曜日と月曜日は在宅勤務、火曜日から木曜日は出社」の「週2日在宅、週3日出社」のパターンが、世界のビジネスパーソンが望む「ゴールデンルール」でしょうか。

   「週5日出社せよ!」と強気を崩さない経営者もいるようですが、「フル出社」を望む人は10%に満たないことから、「週5日出社はいくらなんでも無理ゲー」「せめて金曜日か月曜日は在宅勤務を」というのが、各国ビジネスパーソンの本音のようです。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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