2024年 5月 18日 (土)

米国大統領選挙前年は株高のアノマリーは、2023年も当てはまるのか?【2023年のマーケット展望 後編】(児山将)

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黒田総裁の後任、2人の有力候補者とは?

   そうなると、岸田首相が4月に就任する新総裁を誰に選ぶか、市場は固唾をのんで見守ることとなります。

   現時点の有力候補は、次のふたりです。

・中曽宏
東京大学経済学部卒業後、日本銀行に入行
2013年~2018年まで日銀副総裁
現大和総研理事長

・雨宮正佳
東京大学経済学部卒業後、日本銀行に入行
金融市場局金融市場課長などを経て2010年に日銀理事
2018年に日銀副総裁に就任

   しかし、雨宮副総裁は、総裁への就任を断っているという一部報道もあります。そうなると、最有力候補は中曽氏となります。同氏は、イエレン米財務長官、ブレイナードFRB副議長など、海外当局関係者とも近く、2008年の金融危機対応等で実績を積んだ危機管理専門家です。そのため、大規模な金融緩和の出口の舵取り役としては適任にも見えます。

   ちなみに、可能性は低いものの、リーマン・ショック時には麻生太郎首相の秘書官を務めた浅川雅嗣氏(現・アジア開発銀行総裁)がいます。同氏は、2015年から過去最長となる4年間財務官を務め、円高や米トランプ政権発足などに対応し、日本の通貨外交の最前線に立っていました。

   為替介入時に米国債を売却するなどの難しい交渉を成功させてきた財務省事務方と連携を深めて、金融市場を混乱させることなく、政策を正常化へ向かわせる必要があるポジションでの経歴、経験は十分に見えます。

   いずれにせよ、岸田政権の打ち出す政策では、NISA枠の拡大以外は投資家から支持されていません。そうなると、米国経済か、日銀金融政策が日本株の大きな変動要因となります。

   米国では、インフレが落ち着き、消費活動が拡大するのか。そして、大統領選挙の前年あのアノマリー通りに株高に動くのか――。

   日本側では、次回の日銀会合で今後も引き締め策が行われるような動きとなるのか。また、次期総裁は誰になり、どのような動きを取ってくるのか――。

   このあたりが、2023年の日本株を左右するポイントとなりそうです。(児山将)



【プロフィール】
児山 将(こやま・しょう)


2009年の大学4年時にFXをはじめ、一度は飲食店の店長として働くも相場に関りたく金融メディア大手に就職。記事執筆とサイトのディレクションを行う。FX以外にも、株、指数、オプション、商品、仮想通貨など多岐に渡る商品を取引。現在はフリーランスとしてサイト制作やコンテンツ制作を行いながら個人投資家として活動する。
・Twitter:児山 将 @goahead5055
・初心者でもできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト:https://btc-eth.jp/

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