2024年 5月 6日 (月)

OJTリーダーに抜擢したのに、自信がないと言う部下...どう励ます?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE20(後編)】(前川孝雄)

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職権に頼り切らない真のリーダーシップを!

   人を育成する役割を担うことは、実は、自分が一番成長できるチャンスです。

   人に教えるためには、自分のなかの暗黙知を言語化しなくてはなりません。しかも、それを形式知に変え、相手に伝えるための概念化能力や論理的思考が鍛えられます。また、相手の話を聴き理解し、こちらの意図をわかりやすく伝えるコミュニケーション力も必要です。

   日々、こうした役割を果たすことは、自分自身のリーダーシップを磨き、成長できるまたとない機会なのです。つまり、OJTリーダーに任命されたからリーダーシップが発揮できるのではありません。任命されてからの試行錯誤によって、徐々にリーダーシップが鍛えられていくのです。

   『ビジョナリーカンパニー』シリーズで有名なジム・コリンズは、『ビジョナリーカンパニーZERO』のなかで、リーダーシップをこう定義しています。

「真のリーダーシップとは、従わない自由があるにもかかわらず、人々が付いてくることだ」
「リーダーシップとは、部下にやらなければならないことをやりたいと思わせる技術である」

   真のリーダーシップは、職権によってではなく、信頼関係、共育、働きがいなどをメンバーと育むなかで発揮され、行使されるのです。

   私は、リーダーシップは職位や権限で人の体を動かすのではなく、人を納得させて「心を動かす力」と考えています。実は、権限を持つ管理職や経営者ほど、意識して鍛えないと衰えかねないものでもあるのです。

   すでに上司である皆さんも、真のリーダーシップ=「本物の上司力」を常に磨き続けてください。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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