2024年 5月 4日 (土)

衝撃!「人口の80%...11億人コロナ感染」中国経済は大丈夫か? エコノミストが指摘...「回復すると逆に世界の危機」「コロナ収まっても回復に難問あり」

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世界経済の危機を招く「灰色のサイ」の暴走

人民元
人民元

   「中長期的には中国の人口減少、短期的には不動産バブル崩壊による債務状況の悪化が中国経済の不透明感を増している」と指摘するのは、第一生命経済研究所主席エコノミストの西濵徹氏だ。

   西濵氏はリポート「中国は人口減少局面入り、短期では景気底入れ期待も、中長期では課題山積~今年はスタートダッシュを切りやすい環境も、その後の中国経済には不透明感に繋がる材料が多い」(1月17日付)のなかで、こう指摘した。

「昨年はコロナ禍も影響して61年ぶりの人口減少に転じており、中長期的には潜在成長率の低下が避けられない」

   当局は、「三人っ子政策」に舵を切るなど、急激な少子高齢化に歯止めを掛けようとしているが、ライフスタイルの変化も影響して、出生数の減少に歯止めがかからない状況だ。

   もう1つ、西濱氏が指摘するのは、中国経済で深刻化している「灰色のサイ」(巨額の債務)問題だ。サイは普段はおとなしい動物だが、いったん暴走し始めると手が付けられず、爆発的な破壊力を持つ。誰の目にも見えていて、大きな問題を引き起こす可能性があるとわかっているに軽視されている潜在的リスクの比喩だ。

(図表3)非金融民間部門向け信用残高及びGDP比の推移(第一生命経済研究所の作成)
(図表3)非金融民間部門向け信用残高及びGDP比の推移(第一生命経済研究所の作成)

   【図表3】は近年、中国で増大している企業と家計を中心とする信用残高のグラフだ。不動産バブルの影響もあって、企業も家計も借入金を増やした結果、GNP(国内総生産)に対し、両者の合計が240%近くに膨れ上がっている。中国の経済規模をオーバーしていることは明らかだ。

   西濱氏はこう懸念を示している。

「短期的にみれば中国景気の底入れは世界経済の追い風となると期待されるが、経済規模の大きさの一方で『灰色のサイ』と警戒される債務など構造問題を抱えるなか、中長期的には世界経済が中国の動向に大きく揺さぶられることになろう」

(福田和郎)

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