2024年 5月 3日 (金)

おなじみ「PDCA」はもう古い? 流行りのフレームワーク「OODA」とは?【尾藤克之のオススメ】

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「事業が計画通りに行かない」
「部下が思うように動かない」

   このような課題が、日本中の企業であふれている。企業は管理体制を強めていくが、それはあまり効果的とはいえない。では、どのような対処法が有効なのか。ビジネスではおなじみの「PDCAサイクル」ではなく、「OODAループ」と呼ばれるフレームワークが参考になりそうだ。

「OODA式リーダーシップ 世界が認めた最強ドクトリン」(アーロン・ズー著)秀和システム

もはやPDCAでは乗り切れない

   OODAループとは、観察(Observe)―情勢への適応(Orient)―意思決定(Decide)―行動(Act)というループ(Implicit Guidance & Control, Feedforward / Feedback Loop)によって、健全な意思決定を実現するというものである。アメリカやNATO加盟国をはじめとする西側各国の軍隊だけでなく、中国やロシアを含む世界中の軍隊で採用されているという。

   日本でもOODA理論は知られている。だが、未だに計画を強化してPDCA、つまり、計画(Plan)―実行(Do)―測定・評価(Check)―対策・改善(Action)のサイクルで乗り切ろうとする組織やリーダーが多い。なぜ、日本人はOODAを回せられないのか。主な理由は、「観察や判断の経験や、決定の権限がない」からだと著者は言う。

   とくに、リーダーシップの概念が十分に浸透していないことや、PDCAが当たり前になっていること。また、多くの民間企業の組織構造そのものが現代社会と逆行しているなどの問題が根深く残っているためだと指摘する。敗戦国の日本で、軍事戦略が民間に浸透しないのは当たり前のことなのかもしれない。

「製造業が全体の半数を占める日本で、PDCAサイクルはある意味、重要な概念だ。さらに、戦後間もなく目まぐるしい復活を遂げた日本が、その成功体験にすがってしまっていることも理解できる。しかし、現実問題として、この国のITは他国よりも何周も遅れ、経済力も減少していくばかりである」(著者)

   失われた30年という表現がある。バブル経済の崩壊から30年以上も経っているのに、国民の平均所得は一定だ。世界の国々の所得が高くなっている中、日本だけが一人負けしている。その根本的な原因は一人ひとりのリーダーシップ力だと著者は言う。

「世の中が変化していることはわかっていて、何かやらないといけないことも気づいているが、その方法がまったくわからない。さらに、年が離れている部下とのコミュニケーションがうまく取れずに悩んでいるリーダーが多いのである」(著者)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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