タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)という言葉もかなり浸透してきているが、こと転職活動の場面でタイパを意識する人はどのくらいいるのだろうか?『転職コンシェルジュ』を運営するワークポートが2023年6月28日に発表した「転職活動におけるタイパ意識について」の結果によると、転職先が決まるまでの希望は「3カ月」が41.3%、「1カ月以内」が20.6%となっている。そして、転職活動でタイパを重視したい人は「かなりそう思う」(43.2%)、「ややそう思う」(36.5%)をあわせて79.7%となることがわかった。さらに、転職活動でタイパの悪さを感じる場面は、たくさんの中から求人探しすること(62.0%)、面談や面接のスケジュール調整(52.8%)、応募書類作成(46.0%)となり、当然ながら企業側の都合もあって、思うように選考が進まないことが「ストレス」になっている人はかなり多いようだ。理想の転職先決定までの期間「3カ月」41.3%、「1カ月以内」20.6%この調査は、ワークポートを利用している全国の男女の20代から40代までの転職希望者373人から有効回答を集めた。2023年6月14日から21日までインターネット調査を実施した。今回の調査は、転職活動における、費やした時間に対する時間対効果である「タイムパフォーマンス(タイパ)」に注目したものだ。近年、プライベートシーンをはじめとして短い時間で効率よく価値や満足感を得たいとする「タイパ重視」の傾向が広がりつつあるなか、実際にタイパ意識はどこまで広がっているのか、転職活動の場面をピックアップして調査したかたちだ。(ワークポートの作成)はじめに、対象者全員(=373)に対して転職活動においてタイパを重視したいかを聞いた。すると結果は、「かなりそう思う」が「43.2%」、「ややそう思う」が「36.5%」で、あわせて「79.7%」の人が転職活動のなかでタイムパフォーマンスを意識している結果になった。なお、別の設問ではプライベート生活でのタイパ重視したい人は「63.8%」だったため、転職活動におけるタイパ意識は一段と強いようだ。転職活動でタイパを重視すると回答した人に理由を聞くと以下のような意見が上がった。・現在就業中および育児中で、時間があまり取れないから(40代・男性・製造)・プライベートの時間を確保するため(30代・女性・建築土木)・なるべく早く転職活動を終えたいから(30代・女性・事務)・少しでも早く次のキャリアを築き始めたいから(20代・男性・営業)・じっくり転職先を探したい反面、転職活動にかけられる時間が限られているから(40代・女性・管理)このように、現職や家庭、プライベートと両立するために、転職活動は限られた時間で効率的に転職を進めたいとする意見が多く挙がっている。(ワークポートの作成)続いて、「理想の転職活動期間」について質問すると、最多は「3カ月以内」で「41.3%」。次いで、「1カ月以内」は「20.6%」、「半年以内」に転職を決めたい人は「19.8%」だった。転職活動のタイパ悪い場面「かなりある」25.5%、「ややある」41.6% とくに「応募先選び」と「スケジュール調整」(ワークポートの作成)つぎに、転職活動において、タイパの悪さを感じる場面はあるか聞いたところ、「かなりある」(25.5%)、「ややある」(41.6%)をあわせて「67.1%」だった。(ワークポートの作成)転職活動でタイパの悪さを感じる場面があると回答した人に、どんな場面でタイパの悪さを感じるか聞いたところ、「求人探し」が「62.0%」で最多に。次いで「スケジュール調整」が「52.8%」だった。転職活動中にタイパの悪さを感じた人の半数以上が、求人探しやスケジュール調整の場面で非効率性を感じているようだ。また、「応募書類作成」が「46.0%」、「企業への応募作業」が「35.2%」に上るなど、応募のための書類準備や発送作業に対してタイパの悪さを感じる人も多いようだ。具体的にタイパが悪いと思う場面を聞いてみると、・希望に添った求人がないこと。また、在職中のため面接の予定が合わないこと」(30代・女性・管理)・複数企業への応募を並行していると面接などの日程連絡が企業によってバラバラなのですり合わせに時間がかかること(40代・女性・事務)・企業側のレスポンスが遅いこと(40代・男性・機械系エンジニア)・希望する職種の求人が少ないこと(20代・男性・事務)などが上がっている。たくさんあるなかから自分に合った求人を探すことや、面談・面接のスケジュール調整の場面で、思っていたスピード感で進められないことが要因になっているのだろうか。(ワークポートの作成)一方で、タイパの悪さを感じた時に、転職活動がおっくうに感じることがあるかを聞いたところ、「かなりある」(32.8%)、「ややある」(50.4%)をあわせて「83.2%」の人が転職の意欲が下がってしまう現状があるようだ。こうした結果に対して、同社は総括として以下のように解説している。「近年の人手不足によって売り手市場が続いていることや、転職を支援する様々なサービスや転職活動に活用できるデジタルツールが数多く登場していることなどによって、以前のような買い手市場の頃に比べると全体的な転職へのハードルが低くなったことも影響しているのではないでしょうか」「選択肢や手段の広がりによって精神的にも時間的にも余裕が出てきているからこそ、『転職はできる限り時間や労力をかけずに終わらせたい』とする傾向が強まってきているとも捉えられます」
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