ビジネスパーソンにとって30代、40代は、上司もいて、部下もいて、あるいは周囲の活躍も気になって...という悩み多き世代ではないでしょうか。当コラム「その仕事の悩み、こんなふうに考えてみよう。」では、キャリアや生活にまつわる悩みに、組織や人材開発、コーチングに詳しい「ひろ子ママ」が、アドバイスやエールをお送りしていきます。◆きょうのお悩みきょうはDさんが、こんな悩みを抱えていらっしゃいました。国連の「世界幸福度レポート」で日本は47位という記事、さらに「一番不幸なのは40代未婚の男性だ」という関連記事まで発見してしまいました。まさにこの属性は私にぴったりで...。今はそんなに幸福度が低いとは思ってませんが、これからどん底になるのを避けたいですね。「世界幸福度ランキング」日本は47位 気になる「寛容度」の低さ2023年3月に発表された国連の「世界幸福度レポート」によると、日本の「幸福度」は47位でした。これは、アメリカの調査会社ギャラップが行う世論調査(2023年版(2020年~2022年の結果)「世界幸福度ランキング」調査)をもとにしたものです。そして、世界幸福度は、「国民一人当たりのGDP」「社会支援」「健康寿命」「人生選択の自由」「寛容さ」「汚職や腐敗の認知」「人生評価」といった7つの指標をもとに算出されています。なかでも、世界の多くの国ではコロナ禍の中で「寛容度」が上がっているそうですが、日本人は「寛容度」が低いという結果となっているそうです。寛容度とは「過去1か月にいくら善意団体に寄付したかに対する回答とGDPに対する度合い」から出されています。世界では善意の心が高まっている一方で、日本人の寛容さが低いことなどから、幸福度の低さにつながっていると言われています。その背景として、少子高齢化が進む日本では、将来への不安や経済的な不安から自分の仕事やキャリア形成を重視する傾向が高いそう。幸福度を上げるのは自分のことだけでなく、まわりの人のことを気づかう、受け入れるといった「寛容さ」も高めなければならないようですね。このような背景を聞いてDさんどう思いますか?「すべてがそうだとは思いませんが、将来の不安から自分自身のことを優先したい気持ちはわかる気もします」(Dさん)幸福度と年齢は「Uの字」の関係アメリカの大学が行った分析では、幸福度と年齢との関係がU字型(幸福度が下がる時期、幸福度が上がる時期)になっていることがわかっています。さらに日本人における調査では、40代後半がU字の底辺にあたるそうです。40代の独身男性が最も幸福度が低いとのこと......まさにDさんが当てはまります。ただ、Dさん自身はどん底、自分自身は不幸だと感じていないため、幸福度が低い人には特徴がありそうですね。こうした特徴を知っておくことで、U字型のどん底に行くことは避けられるのではないでしょうか。寛容度を高めることが、幸せにつながる年収と恋愛経験の有無が幸福度に関係しているという調査結果も出ています。この結果からすると、人生の幸福度を上げるには、年収を上げて、結婚することが解決法となりそうですよね。ただ、「お金より趣味が大事」「恋愛に興味がない」という人もいたり、必ずしも「結婚したら幸せだ」「恋愛していないから不幸だ」といったことではないので、別の方法もありそうです。国連の「世界幸福度レポート」にあった「寛容度」をもとに考えてみましょう。あらためて寛容とは、「心が広くて人の言動を受け入れること」「人の欠点などきびしく責めないこと」「自分と異なる意見や価値観を許容しようとする姿勢」などを意味します。幸福度を高めるにはただお金を稼くだけでなく、「そのお金を使って誰と何をするのか」が大切なのではないでしょうか。落ち込んでいる人がいたらフォローする、嬉しいことがあったら一緒に喜びあうことで寛容度が高まりそうですね。結婚していなくても、友達であったり、仲間であったり、誰かとつながっているという実感が幸せになる一歩となりそうです。Dさんは今幸せなので、つながりを実感できる生活を送っているのかもしれないですね。これからはぜひ「寛容度」を高めることも意識しながら過ごしてみてくださいね。そうすることでDさんだけでなく、まわりの人も幸せになるかもしれません。(ひろ子ママ)
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