20代の非正規雇用者に、「あなたは正社員になりたいですか?」と聞いたところ、36.5%の人が「正社員になりたい」と答えたことが、企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開するジェイック(東京都千代田区)の調査でわかった。2023年7月5日の発表。「正社員になりたくない」と答えた人は26.8%、「どちらともいえない」は36.8%で、それぞれ拮抗していた。また、男女別にみると、「正社員になりたい」と答えた人は、女性(28.5%)より男性(44.5%)のほうが16ポイントも高かった。正社員は「社会的な信用と経済的な安定につながる」調査によると、20代の非正規雇用者に、「あなたは正社員になりたいですか?」と聞いたところ、36.5%の人が「正社員になりたい」と答えた。「なりたくない」が26.8%、「どちらともいえない」が36.8%となった。男女別にみると、「正社員になりたい」と答えた男性は44.5%、女性は28.5%。「なりたくはい」と答えた人は、男性が20.5%、女性は33.0%。「どちらともいえない」は、男性が35.0%、女性が38.5%だった。「正社員になりたい」と答えた人は、男性が女性より16ポイント高かった。【図1参照】図1「正社員になりたい」と答えた男性は44.5%、女性は28.5%だった(ジェイック調べ)「正社員になりたい」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「安定した収入と福利厚生があるから」「給料が安定するから」「正社員になれば安定するし、将来的に考えても困らないと思うから」「さまざまな保障がアルバイトでは受けられないため」「しっかりと自立したいから」「無期雇用契約で働けるから。また、能力に応じてさまざまなキャリアパスが用意されているから」「社会的な信用と経済的な安定につながるから」「ボーナスが欲しいから。また世間の目が気になるから」といった声が寄せられた。「正社員になりたい」理由のキーワードは、「安定」「収入、給料・ボーナス」「福利厚生」のようだ。15年以上フリーターを含む若年層の就職支援に携わっている、ジェイック執行役員の柳井田彰氏は、「正規雇用と非正規雇用の生涯賃金の差は大きく、また物価高なども続く中で『安定や収入』を求める声は、近年より強くなっていることが考えられます」とみている。正社員に「なりたくない」のは「縛られたくないから」一方、「正社員になりたくない」理由のキーワードは「自由」「時間」「縛られたくない」「責任」。こんな声が寄せられた。「時間に自由のきく働き方をしているから」「縛られたくないから」「フリーターのほうが時間的自由があり、かつ正社員と給料も変わらないから」「週5の8時間勤務がつらすぎるから」「責任が重いから」「しんどいから」「まだ夢を追いかけているから」「正社員で働くのは自分に合っていなかったから」こうした声に、ジェイックの柳井田彰氏は、「『正社員になりたくない』理由では、『自由や時間』が挙げられましたが、これはZ世代やミレニアル世代の顕著な特徴といえます。個人やプライベートを重視する傾向で、また近年、転職の一般化や働き方の多様化によって、個人のライフスタイルに合わせて働き方を選択する時代になりつつあることも、正社員になりたくない人が一定数いる結果に繋がっていると考えます」とコメントしている。また、「どちらともいえない」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「具体的に将来像が決まってないから」「今はまだわからない」「両者ともにメリットとデメリットがあるから」「正社員以外にもあればそれで良いから」「今のところはあまり積極的にやりたいとは思わないから」「なりたいとは思わないが、どうしても嫌というほどでもないから」「ちゃんと働けるか不安だから」など、なかには「なんとなく」といった声もあった。なお、調査は20代のパート・アルバイトか無職の人を対象に、2023年5月15日~16日にインターネットで実施。回答者数は400人(男性200人、女性200人)。
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