「最終面接まで頑張ったことって絶対に評価されるべき」
「不採用になったらABABA」──。
中井氏はそうアピールした。「ABABA」では、就活で最終面接を経験した学生のみ登録でき、他社からのスカウトを受け付けている。
サービスを作ろうと思ったのは5年前の出来事がきっかけだった。友人が大手広告代理店を志望し、3か月ほどかけて8次にあたる最終面接に進むも不採用に。一時連絡が途絶え、メンタルの不調を明かされたという。中井氏は、「その彼をなんとか救いたい」「そもそも最終面接まで頑張ったことって絶対に評価されるべき」と切実な思いを振り返った。
ユーザーのメリットについて、企業側は、例えば競合の最終まで進んだ学生に対して選考フローを省略してアプローチするなど、採用の効率化を図れる。学生側には「負をポジティブに変えていくプロダクトで、不採用の苦しみを和らげられるんじゃないか」との見立てだ。
「REALME」では、学生がエントリー前に、AI面接を通して能力・価値観・性格を定量化し、志望企業の内定を獲得できる可能性(内定判定)を確認できる。収集した情報をもとに個人情報は伏せたうえ、企業に、設定された「採用したい人物像」に合う学生を紹介。それぞれ、結果をふまえてアプローチできる。
両サービスの学生ユーザー数は今期も大きく伸びているという。年間の見通しは「ABABA」10万人、「REALME」20万人ほど。就活生は市場に約53万人いるというが、「それの約6割、30万人ぐらいに使っていただけるプロダクトとして成長できるのではないか」と意気込んだ。