「公務員、全体の奉仕者だった?」 人事院総裁はこう答えた

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   渦中の谷公士人事院総裁(68)を招いた。人事院の持つ権限の一部を内閣人事・行政管理局に移管しようとする政府方針に歯向かうキーマンに聞こうというわけである。聞き役は与良正男(毎日新聞論説委員)、川戸惠子(TBS解説委員)のコメント陣とTBS政治部長の大山寛恭、それにMCみのもんたが加わる。

   まず与良が口火を切る。「どこに反対なのか、何が気に入らないのか?」

   谷「人事院制度を根底から改めることに絶対、反対とまでは言っていない。が、今度は手続きが違うのではないか。憲法に、公務員は全体の奉仕者、と書いてある。公務員は、政権や内閣がかわっても、ときの内閣に忠誠を尽くすべきだ。そのためには、現実の使用者である政府から少し離れたところで、公務員のあり方を見守っていく機関が必要だ、それが憲法の主旨を具体化する仕組みである、ということで今まできた。

   もう1つ、公務員は、団体交渉権、争議権が制限されている。で、労使双方にかわって中立の人事院が勤務条件を決めている。そういう仕組みを改めるのであれば正面から議論してほしい」

   以上が総裁の主張の眼目。これについて各人が質して行く形となった。

「人事院が設けられた意味を国民に…」

   川戸「現行の公務員制度でいいのか」

   谷「現行の制度以前に、現行の公務員の実態については国民に迷惑をかけている事例がいくつも出ており、申し訳ないと思っている」

   大山「政治の陰に隠れていた霞が関が、番組を含めていろいろな場で発言する理由は?」

   谷「人事院が設けられた意味を国民に申し上げて行く立場だ。今回はその議論抜きに進んでいるのを懸念している」

   与良「人事院を守りたいだけではないのか」

   谷「組織、制度をかえるべきでないとは言っていない。かえるだけでは実態を接ぎ木するだけになってしまう。両方、全部合わせてかえていかなければならない」

   大山「『吏道』にこだわっていないか」

   谷「いちばんの問題は、憲法にいう全体の奉仕者とは何かということ。憲法も含めて国民の選択でいかようにもなさることが出来る。吏道という言葉はさておき、いまの時代は時代なりに公務員の責務がある」

   与良「全体の奉仕者だっただろうか? 省庁の奉仕者だったのではないか」

   谷「それには一言もない。が、求めるべきは、あるべき公務員像であるのも事実。現実をかえることは必要だが、あるべき姿を念頭に置きながらかえるしかない」

   スタジオ陣が健闘してよく攻め込んだと思うが、官僚トップまで上りつめる人はやはり粘り強い。二枚腰を見せつけられた思いがする。一枚かみたがるMCの乱入が討論の妨げになる場面が散見された。進行役に徹してくれればよかったのだが……。

文   アレマ
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