伊勢谷友介、英語も演技もうまい 欲を言えばもう少し…

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   <NHKドラマスペシャル 白洲次郎>ここ2、3年、書店で白洲次郎関係の本をよく見かける。カバー写真を見て、「うん、さすが日本一カッコいい男と言われるだけのことはあるわ」と思っていた。ドラマの方は文句なしの大作だ。1時間半ずつ3回。2回までは2週連続の放送だったが、最終回は8月になるという。出演者が病気をしたことが影響したんだとか。

   神戸の豪商の息子に生まれた白洲次郎(伊勢谷友介)は、ヤンチャが過ぎて父の文平(奥田瑛二)にイギリス留学に追いやられる。ケンカに明け暮れていたためだ。でも大正8年(1919年)という時代に、17歳の中学生の分際でアメ車を乗り回していたのだから、近所の貧乏少年としてはケンカ吹っかけたくなるのも当然だよねえ。

中谷美紀、熱演だけど…

   また、父親がなんとも傲慢で、周りの者はたまらんだろうなあ、という奴。でも深みがあって魅力的なこの男を、奥田が持ち味を生かし、好演。近衛首相(岸部一徳)に対してもマッカーサーに対しても正面から立ち向かった次郎の気質は、結局は父親ゆずりだったようだ。母を演じた原田美枝子は着物姿がとってもきれい。

   主演の伊勢谷はテレビにはあまり出ないが、外国映画にも出演しているだけあって英語がうまい。演技もとても自然で違和感なくドラマを楽しめるが、欲を言えば、もう少しオシャレでスマートな感じがほしい。妻・正子を演じる中谷美紀はイマイチ役がつかめていない感じ。熱演ではあるのだが。

   次郎と共に軍部支配に抵抗する人物として吉田茂(原田芳雄)が活躍する。吉田はなんとか英米との開戦を避けようと努力し、また開戦後は必死で早期終結を目指す。そのために憲兵隊に引っ張られたりもする。吉田茂のあの風貌と、やせ形の原田芳雄とは結びつかなかったが、見てみると、なんとかそれらしく見えた。

   さて、吉田茂と言えばイヤでも思い浮かぶのは、「ジイサンが、ジイサンが」と連発するのが好きみたいな孫の次郎さんならぬ太郎さん。8月の最終回では、サンフランシスコ講和条約などでジイサンはさらに大活躍するだろうけど、そのころには太郎さんはどうなってるかなあ。

   戦争中に移り住んだ東京郊外の鶴川の田園風景が美しい。流れる音楽も快い。ただ、地元の農婦の話すナマリはどう聞いても関東のものではない。息子の戦死に「骨も帰ってこんけん、信じられんけど」。東京周辺にももちろんナマリはあるが、こうは言わないはず。これは西の方の言い方なのでは? 「九州から嫁にきたけん」なんて言われたら、スイマセン、だけど。

カモノ・ハシ

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