「劇的ビフォーアフター」住めなくなった我が家!週刊文春で実名告白

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   今週の「週刊文春」と「週刊新潮」はおもしろい! 特に文春がいい。特集はもちろんだが、2ページものにも気になる記事が満載で、気がついたらほとんど読んでしまった。

   これで「週刊現代」より、文春は50円、新潮は60円も安いのだから断然お得。まずは、仙谷由人官房長官から名誉を傷付けられたとして東京地裁に提訴された(1000万円の損害賠償&謝罪広告)新潮の記事から。

   新潮の書いているように、時の権力者が連載途中のメディアを訴えるというのは「前代未聞」かもしれない。仙谷官房長官が弁護士時代、「経営不振のゴルフ場に乗り込み、会員権を乱発して集めた約10億円の金を横領および6億円超を脱税した容疑など」で逮捕された(後に実刑)人物が、実質的に経営する金融会社の監査役を務めていた。その上、その人物からこれまで計100万円の献金を貰っていることなどを指して、新潮は「これを『黒い人脈』の間で蠕動していたと表現せずしてなんと言えようか」と大時代的な表現で断じている。

   権力側との喧嘩の仕方を新潮ほど心得ている週刊誌はない。これからの連載が楽しみだが、それにしても仙谷官房長官がこの手の報道になぜこれほど躍起になるのか。

   文春も仙谷官房長官自身が「俺は悪徳弁護士。ただの悪徳とちゃうぞ。自称悪徳弁護士や」と語っていたことを紹介し、恐喝で逮捕されたことがある大物総会屋・小川薫(故人)氏と親密だったと明かしている。

   小川がヨーロッパ旅行をした際も同行し、そこには『仁義なき戦い』の菅原文太のモデルになった暴力団幹部・美能幸三氏も一緒だった。このご一行が羽田空港に戻ると、彼らが欧州で麻薬を買い込んだという情報があったため、仙谷氏を除いた2人が警視庁の警察官に拘束され、長時間調べられたそうだ。

   「弁護士は恐喝犯や殺人犯の弁護でもするのが仕事だから、何がおかしい」と仙谷氏なら答えると思うが、続々出てくる黒い紳士たちとの交友は、「仙谷総理」とまでいわれている権力者の足下をすくうことになるかもしれない。

   週刊誌は、小沢一郎に代わるターゲットができたことで勢いづいてきた。

見せられたのは手書きの見取り図だけ

   テレビで人気の番組に『大改造!!ビフォーアフター』(朝日放送系)がある。所ジョージが司会を務め、一般視聴者の依頼で、匠と呼ばれる建築士や大工が家や庭をリフォームするもので、私も何度か見たことがある。

   この予算でこれだけの改造ができるのか? きっとテレビ局側が建築士にいくらか払っているのではないか? などという疑問を抱きながら見ていたが、どうもそうではなかったようだ。

   文春で、この番組に応募し、多額の費用をかけて匠・滝澤俊之氏にリフォームしてもらったが、「我が家を台無しにされた」と中野区でラーメン店を営む中薗尚秋氏が実名告白したのである。

   彼は築48年の中古住宅を10年前に購入したが、敷地に高低差があり、一番大きいのは70㎝もあった。階段を作って上り下りしていたが、踏み板が狭く、妻が転んでアキレス腱を切ったこともあり、改造に踏み切ったのだそうだ。

   見積もりは2100万円。リフォームにしてはかなりの高額である。しかも見せられたのは手書きの見取り図だけで、滝澤氏と中薗氏が完成までに会ったのはたった2回。

   できた家に入って中薗氏はビックリ仰天する。70㎝の段差はそのまま残り、外壁の色が違い、二階の部屋は狭く暗くなるし、1階は以前より寒くなってしまったというのだ。

   そこで局側と話し合い、第三者に調査を依頼すると、「リフォーム以前の建物より、品質が悪くなっているという点。基礎、耐力壁、断熱、防火など、あらゆる箇所で瑕疵が見受けられます」(日本建築検査研究所岩山健一氏)

   その上、匠の選ばれ方にも問題があるようだ。ある匠は「私の所にはホームページを見て『匠、やりませんか?』と電話してきた。あの番組はショーの要素が強く、施主の希望は通らない」と語っている。

   2000万円以上もかけて改造した家なら、以前より快適で、地震や火災に対する性能もよくなっていると思うのは、当然のことだろう。さて、このクレームのついた物件が今後どうなるのか、テレビ局側は逃げないで、この問題の『ビフォーアフター』をやる責任があるはずだ。

高知地検「供述調書、署名、拇印捏造」疑惑

   他では、白バイと衝突して高知県警機動隊隊員を殺したという罪で実刑を受け、刑期を満了した元スクールバスの運転手が、無罪判決を求めて再審請求をおこなっているという記事が注目。その事故の時、スクールバスに乗っていた生徒の供述調書の内容や、署名、拇印が捏造された疑いが濃厚だというのだ。

   文中に写真が掲載されているが、この筆跡と拇印は、明らかに違っているように思える。しかも、この調書を閲覧・謄写したいと高知地検に申し入れると、「閲覧不許可」という答えが返ってきただけだというのである。

   検察の不正にメスを入れるのは、新聞よりも検察と距離を置いている週刊誌のほうに一日の長がある。これからも粘り強い取材をしてもらいたい。

   最後にお騒がせ沢尻エリカについて両誌が報じているが、新潮の情報源に信頼性あり。それによれば、夫・高城剛氏とは離婚しない。スペインにあるエリカの個人事務所は、『エイベックス』と契約できるように変更することで合意したようだ。だが、彼女たちの思惑通りに運ぶかどうか。文春が書いているように、ヘア・ヌード写真集でも出して、スペインで暮らしたほうがいいのではないか。余計なお節介だろうけどね。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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