2024年 5月 4日 (土)

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大新聞なぜ追及しない!「ネットなりすまし」警察の調書でっち上げ

   他人のパソコンに入りこみ、殺人予告などをする「ネットなりすまし事件」は、危うく多くの冤罪者を生み出すところだった。警察は誤認逮捕にもかかわらず、調書を自分たちに都合よくでっち上げてしまったのである。冤罪にされるところだった人たちの恐怖を扱った現代の記事に注目。

   大新聞はなりすまし犯のことには言及するが、自白調書が警察のでっち上げだったことことを追及した記事があまり見当たらなかったのはどうしたことか。

   発端は7月1日、東京・杉並区に住む19歳の明治大学生が神奈川県警保土ケ谷署に逮捕されたことだった。横浜市のHPに小学校を襲撃する殺人予告を書き込んだという、威力業務妨害の疑いだったが、もちろん冤罪だった。

「しかし、3日付のスポーツ新聞にはこんな記事か載っている。<明大広報課担当者は『事実関係を確認し、厳正に処分します』とコメント。商学部2年の女子学生は『明治の恥。大学のイメージが悪くなり、就活などで他の学生に迷惑がかかる』と憤っていた>(日刊スポーツ)」(現代)

   現代のいうとおり、学校は事実関係を調べもしないで警察側の発表を信じてしまっているようである。大阪府警に誤認逮捕された北村真咲さん(43)の弁護人はこう語る。

「北村さんは、今回の事件に関して逮捕前から一貫して捜査に協力し、かつ否認していました。にもかかわらず、北村さんは逮捕・勾留されてしまい、著しい肉体的、精神的、経済的打撃を受けました。(中略)また、逮捕された後も、捜査機関は北村さんの言い分を聞くことなく連日の取り調べを続けました。このような取り調べは、虚偽の自白を誘発するものです。この取り調べに北村さんが屈していれば、そのまま有罪判決を受けていたかもしれない」

   8月26日に北村さんが逮捕され、9月1日に福岡の無職の男性(28)が警視庁に逮捕される。9月14日には2ちゃんねるに伊勢神宮を爆破予告したとして、三重県津市に住む28歳の男性が三重県警に逮捕されている。なぜこのようなことが起きるのか。全国紙社会部記者が解説している。

「08年の秋葉原事件後、警察庁が全国の県警に通達した『サイバーテロ予告の捜査マニュアル』があります。詳しい内容は開示されていませんが、そこには『脅迫メールの書き込みが行われたパソコンのIPアドレスを根拠に、被疑者を逮捕してもよい。被疑者否認のまま起訴しても、公判は維持できる』という旨が明記されているんです」

   IT時代にこんなとんでもない通達が出ていたというのは驚きである。真犯人が犯行声明で捜査当局の能力の低さをあざ笑うのは当然である。

   その上、犯人が捕まる可能性はほとんどないと、サイバー犯罪に詳しい神田知宏弁護士は話す。

「いろいろな国のサーバーを経由して発信元を隠すTorというソフトを使っているので、発信元を辿ることは不可能でしょう。現状はネットの書き込みに対する法整備が追いついておらず、警察は正直言ってお手上げの状態です」

   自分たちの後手後手に回った捜査をごまかすために、無実の者を逮捕し、自分たちに都合のいい調書をでっち上げ有罪にする。これだから司法を監視する手を緩めてはいけないのだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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