2024年 5月 2日 (木)

空恐ろしい「アベノミクス」家計は円安値上げ目白押し!金利上昇で住宅ローン地獄

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安倍バブル万歳派「週刊現代」でブレーンの高橋洋一「景気とは『気』なのです」

   各誌「安倍バブル」を扱っているが、おもしろいのは安倍バブル万歳派と懐疑派に分かれていることだ。「週刊現代」は「安倍バブルで本当に儲かるのはこれから」だと、自ら安倍応援団の切り込み隊長を任じる万歳派の旗頭である。安倍総理のブレーン、元財務官僚の高橋洋一嘉悦大学教授が「景気とは、結局は『気』なのです。景気が上向けば賃金は上がり、雇用も増えていく」といっているが、「気」だけが先行しているのではないか。

   現代自らが「投資などしない人にとってみれば、大事なことは日経平均株価ではなく、給与や収入がアップしていくことだが、『すぐに』というのは難しい」と書いているように、安倍の経済政策はまだ海の物とも山の物ともわからないのである。

   東京・中野の駅前で民主党の長妻昭議員が朝立ちをしていた。安倍の政策を批判し、一般会計総額を過去最大規模の92兆6100億円とし、防衛費は11年ぶりに400億円増にした一方で、生活保護費は670億円減らすやり方は、大企業や軍事には優しいが、貧しい者には冷たい政権だと訴えていた。こうした視点が週刊誌に必要なのではないか。

   現代も安倍首相の指南役であるイェール大学の浜田宏一名誉教授のインタビューを載せているが、文春は誌面上だけだが、伝説のトレーダーの藤巻健史と浜田を「激突」させている。雑誌としてはこちらのほうが正道ではないか。

   安倍首相は就任前にアベノミクスが批判された際、フェイスプックに浜田からのFAXを公開して反論の拠り所とし、経済政策の理論的支柱として頼っているようだ。政権発足後には内閣官房参与に任命している。白川方明日銀総裁は東京大学経済学部教授時代の教え子にあたる。浜田教授はアベノミクスの行く先についてこう語っている。

「もし安倍総理が今、現在の信念を貫き、そのための金融政策を日本銀行が果たしていけば、問題なく経済は回復していくでしょう。金融緩和で単純に、日本のお金が増えれば円の価値は安くなります。株価も上昇するでしょう。一方で日銀の金融緩和への決意が十分でなかったり、政策遂行時期を先送りにすることは国民の失望に直結すると思います。金融緩和の『量』にプラスして『これから成長していくという期待』がなければ、政策は効きません」

   アベノミクスを続けていけば、現在の円安株高が「本物の経済回復」につながるとの主張だが、アベノミクスでは日本は救えないと主張するのが藤巻健史だ。彼はこういっている。

「アベノミクスは『手法』に問題があるんです。円安誘導自体には、私は大賛成です。ただし、私は金融緩和という方法では円安を進めるべきではないと考えています。リーマンショック後、世界中の中央銀行がこぞって金融緩和し、『日銀は遅れている』と批判が出ましたがこれは的外れ。日銀は○一年から量的緩和を始めており、それまでは約四兆円だった日銀にある民間金融機関の当座預金残高は、現在では四十兆円を超えています。マネーはすでにジャブジャブなんです。今以上に緩和することは、日銀がインフレ率をコントロールする能力を喪失してしまうリスクがあります。暴れ馬を野に放つようなものです。円安誘導には方法がいくらでもあるので、他の手法で行うべきです」

   現在の株高について藤巻の見方は、「政権交代後の株高は、マーケットの期待感と雰囲気がもたらしたものに過ぎないと思います」とつれない。文春は中間派かな。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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