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マイナンバー汚職官僚「ぶっちゃけインタビュー」警察が狙ってる本命は僕じゃない
マイナンバー問題も政権のアキレス腱の一つである。『週刊現代』はマイナンバーに関する贈収賄事件で逮捕された厚生労働省情報政策担当参事官室室長補佐の中安一幸氏(46歳)の独占インタビューをしている。中安氏が逮捕されたのは10月13日。マイナンバー制度導入に備えた社会保障分野でのシステム構築事業について、厚労省が11年10月に公募した企画競争でITコンサルタント会社に便宜を図り、現金約100万円を受け取ったという容疑である。
メディアは彼のことを「異色の官僚」と呼び、勤務態度やブランド物で身を固め、派手に遊び歩いていると報じた。だが、中安氏本人はITに関する知識と事業を実現する行動力がずば抜けていたことは事実だと認めながら、それ以外は事実ではないとこう話している。
<「出勤していなかったのも、遊び歩いていたからじゃない。六本木で豪遊していたと言われていましたが、僕は酒を飲めませんからね」>
親しかったIT会社の社長から100万円をもらったことは認めているが、それも自費で仕事をしていたからカネがなく、それを見ていた社長が「カネを出してやる」といわれて受け取ったので、便宜を図るつもりはなかったと話す。マイナンバー制度の導入が始まった14年から15年に、その事業を取り仕切った人物こそが警察が狙う「本丸」だともいっている。
贈収賄事件の進展がどうなるかは不透明だが、彼のいっているマイナンバー批判は一聴の価値がある。<「これからさらに、マイナンバー絡みの問題が頻発するのも間違いない。なぜなら、そもそも番号を国民全員に配るというのが、間違っているからです。
国民の情報を国が一括して管理するなら、番号なんて配らなくても、省庁同士が連携すればいいだけの話でしょう。そして、『国で一元管理してもいいですか。政府を信用できますか』と国民に問えばいいんです。
でも政府は、国民から信用を得られず、マイナンバーを導入できない事態になるのを恐れたんでしょう。そこで、正しい導入のプロセスを踏まず、カードを配るという逃げを打った。(中略)
カードを配れば、番号を売り買いする人間が必ず出てきます。誰が売るのかといえば、情報を管理している者しかない。つまり省庁の役人です」>
彼は「僕以上の『悪人』が逮捕されることになれば、本当の汚職官僚は誰かがわかる。そして、マイナンバーがいかに不安だらけな制度かも、明らかになるはずです」といっている。
遅配、誤配などが頻発しているマイナンバーだが、そんな表面的なことではなく、なぜこんな曖昧な制度が3000億円といわれる血税を使って拙速に政府がやろうとしているのか、原点にかえって問い直されなければいけない。サラリーマン川柳だかに「マイナンバー いつの間にかナンマイダー」というのがあった。こんなものは早く葬ったほうがいい。