2024年 3月 19日 (火)

明日からビール値上げ!値札はまだ? 小売店守るため過度な安売り規制

   明日、6月1日(2017年)からビールが値上げになる。改正酒税法が施行され、めったやたらな安売りができなくなるからだ。法改正は、伝統的な酒屋さんを守るためという。このところ、スーパーなどは駆け込みで大にぎわいだが、なにをどれだけ値上げするかはまだ、決めきれていないという、変な話。

   このところスーパーでは、「6月から値上げ」の札がベタベタと貼られ、駆け込みで売り上げも3割ほどは伸びているという。消費者も、「困りますね」「本数減らすしかないか」などと言いながら、せっせと買っている。

   あるスーパーでは、「(第3のビールなど)100円以下で販売する店もあったんですけど、なくなるのかな」という。しかし、実際いくらの値札をつけるかとなると、周囲をにらんでからということらしい。

   ある大手販売店は、350ml缶約180円(税抜き)のビールを10円程度値上げ。激安スーパーでは、同165円を200円以上にせざるをえないという。

   酒の小売はもう長いこと、スーパーやディスカウントショップが薄利多売でリードしてきた。とんでもない安値を出したりして、伝統的な個人経営の酒屋さんは廃れる一方で、この20年で数は半減した。自らディスカウントショップになるとか、コンビニに転身とか、それが現実だった。

販売免許取り消しもありうる

   この改正酒税法では、過度な安売りが規制される。量販店は赤字同然の価格で客を引き寄せ、数を売って、メーカーからの販売奨励金で実質的な値引きに成っていた。数の出ない個人商店ではこれに対抗できなかった。改正は、この「奨励金」「不当な値引き」を認めず、違反には最悪、販売免許の取り消しもある。

   明日からの値上げは、ハガキが52円から62円に。明治・森永乳業はバター200グラム405円が410円に。他に車のタイヤも値上げになる。

   司会の羽鳥慎一「今日がラストチャンスというので、駆け込みが大変」

   浜田敬子(アエラ元編集長)「消費者には安いほうがいいに決まっているが、戦うべきはそこじゃなくて、ネットショップ。水とか酒とか重いものは、アマゾンとか......高くても配達してくれる」

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は、「法改正の筋がおかしい」という。玉川は2年前この問題を取材していた。「町の酒屋さんを守る国会議員の会」が元なのだという。

   「なんで、酒屋さんなの? 他の小売屋さんもあって、スーパーと戦ってるのに、なんで酒屋さんを。本当に不当な値下げがあるのなら、公正取引委員会が筋でしょ。そうじゃなくて、国税をいじるのは変」

   玉川は、国会議員の会の会長に聞いたところ、「酒屋を守るんじゃなくて、人々の健康を守るんです」と言ったそうだ。

   羽鳥「全体の飲む量を減らしましょうということ?」

   玉川「そうみたいです。だけど、全体の量が減ったら税金の入りも少なくなる。でも国税がやる。なんか支離滅裂」

   酒屋さんの中には、「もう手遅れだよ」という人もいたという。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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