2024年 5月 5日 (日)

暗い時代の予兆か、座間・頭部切断事件 締め切りに間に合わなかった週刊誌が生きる道

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無所属議員・中村喜四郎のすごみ

   ところで中村喜四郎(68)という政治家をご存じだろうか。当選14回になる、経歴からいえば最古参の現役である。

   元自民党で元建設大臣。総理候補といわれたこともある。だが、メディアで見かけることはもちろんのこと、永田町でも会期中以外には姿を見ることはない。

   それは、94年のゼネコン汚職の時、斡旋収賄容疑で逮捕されたが、東京地検特捜部の取り調べに一貫して完全黙秘、無罪を訴えた。だが、懲役1年6か月の実刑判決を受けたのである。

   国会会期中に逮捕されるという異例のことだったが、中村は「国会の正面玄関で待っているから、堂々と逮捕しに来い」と啖呵を切った。

   私は、逮捕される前に何度か会ったことがある。彼は40代だった。カッコいい青年政治家で、言葉も柔らかく、末は大物になるという風格を備えていた。

   人生は暗転した。だが、そこからが中村のすごさである。大量の中傷ビラがまかれる中で、有権者へ真実を話していくという彼の姿勢が通じて、多くの後援会は離反せずにとどまった。

   今回の衆院選でも出陣式には4000人が集まったという。街頭にはポスターが1枚もないのに、選挙区の家や店には中村のポスターだらけだったそうである。

   無所属の一匹狼で、政治に対する発言力はあるのかと問うと、

   「無所属であるということは、政策でも政治姿勢でも、いっさい人に気兼ねをしなくて済みます。だから、国民の立場でいろいろものを言うし、ものを考える。私は共謀罪採決でも反対票を投じた。節目節目で、キャリアのある政治家がどういう動きをするかというのは、見る人は見ています。(中略)

   国民目線で、安倍氏のやっていることは許せないといったとき、行動を起こせる人がベテラン国会議員のなかにいないといけない」

   安倍政権については、

   「消費増税を延期するための解散なんて、国政選挙では絶対やっちゃいけない。中長期的なビジョンをまったく示していない」

   異論をいえない雰囲気があるが、という問いには、

   「だんだん自分の考えを言わない習慣が、自民党のベテラン議員でも身についてしまっている。無所属で、感性を研ぎ澄ませていかないと」

   小泉純一郎の秘書だった飯島勲が週刊文春の連載で、無所属で勝ち続ける中村を「スゴイ」と讃えている。

   「森羅万象に通じる中村氏はあと10年は活躍できるよ。尊敬する二階俊博幹事長、NYKK(かつて山崎拓、加藤紘一、小泉進次郎とともに将来を嘱望されていた=筆者注)の最後の生き残りを何とか復党させていただきたく、お願いしまーす」

と書いている。永田町最後のサムライなのかもしれない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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