自己の栄枯盛衰を冷静に語る 歌に生きてきた実力派
〈舟木一夫・永遠の青春スター 高校三年生~舟木が語る自分史と歌〉(BS―TBS)

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   10代で突然メガヒットの「高校三年生」を歌い、大スターになり、天狗になった舟木一夫の半生を片岡鶴太郎が聞く。出す歌、出す歌がヒットして、20代の後半にパタッと売れなくなった。1年365日の内300日は仕事がなく遊んでいたが、仕事が来ると自分で電話を受け、ステージ衣装に自分でアイロンをかけて歌いに行ったという。
   今年、55周年のイベントを新橋演舞場でやり、「こうしてテレビで取り上げていただく幸せを感謝している」と淡々と語る72歳。舟木には過去に自殺未遂の報道が流れたことがよく知られている。恐らく、遊んでいた時に起こしたのであろう。約10年の低迷期の後、同世代のオバサン族に支持されて蘇る。今では、劇場に長蛇の行列ができる座長公演をこなす独特のポストを獲得している。
   まるで、ハリウッド映画の栄枯盛衰物語のような内容であるが、1つ言えるのは、彼が歌唱力のある実力派であることと共に、非常にクレバーな分析家であることだ。自己の過去の光も影も、冷静に分析して、時流に流されない「自分の世代と共に歩む」道を見つけた。「紅白」にも媚びず、若者唄にも媚びず、「歌手は声で聴く」を信条にして、ひたすらオーソドックスに歌う。聞き手の鶴太郎がまた芸術家なので、にこやかに先輩の有為転変を真摯に聞く。当然、予算の少ないBSのこと、カメラの台数も少ないのだが、話の内容に引き込まれて、実に面白い2時間半のドキュメントだった。
(放送2017年11月4日18時半~)

(黄蘭)

採点:1.5
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