架空の国の物語にはまれない 美的センスは素晴らしいのだが......
〈精霊の守り人 最終章 第1回〉(NHK総合)

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   どうにも批評するのに困った作品である。3年前のスタートの時から、バルサ(綾瀬はるか)のアクションの見事さなどに感心してはきたけれど、中央アジアを彷彿とさせる峻厳な山や広大な野原に存在するという架空の帝国の物語に、どうしても没入できなかった。そういう人が多々いるらしく、今回も大宣伝の割に視聴率は6.0%である。筆者は登場人物がみんな現代の日本語で会話するのが気になる。だから、アジアの他国の人の方が物語に入りやすいだろう。
   バルサと皇太子チャグムがバルサの故郷カンバル王国に帰ってくる。そこでカンバル王国の警備隊に襲われる場面からド迫力。バルサの短槍の師匠で父の友人・ジグロ(吉川晃司)と兄のカグロ(渡辺いっけい)が1対1で戦う森の中の過去の決闘は、2人がクルクル回る場面を俯瞰で撮って、あたかも仕舞のように美しい。こういう視覚的ファンタジーとしての美的センスは素晴らしいものだ。
   登場人物が覚えにくいとか名前がわかりにくいとか、国と国との関係がさっぱりわからんとか視聴者に言われるらしく、新ヨゴ国、ロタ国、カンバル王国などの図解が出て、解説されるのだが、それでも人物の相関関係は簡単には頭に入らない。原作の劇画や小説などのファンで、既に基礎的刷り込みが出来ている視聴者ではなく、初めて今回のドラマが初体験の人間にとっては、視聴すること自体に相当な忍耐力がいるということをも作り手は知るべきである。
(放送2017年11月25日21時~)

(黄蘭)

採点:0.5
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