2024年 5月 8日 (水)

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スクープ飛ばしても部数が伸びない!週刊誌いよいよ苦境・・・健康特集が増えてる寂しい台所事情

   お次は週刊現代から。東芝がまだ揺れている。一番利益を出す半導体メーカーを「日米韓連合」に2兆円で売却するが、東芝の株を持っている海外の投資家たちは、株主へ利益を分配せよと声高に叫び始めている。

   東芝の「外国人」株主の割合は、週刊現代によると、71・62%にもなるそうである。その中の香港の投資ファンド「アーガイル・ストリート・マネジメント」のキン・チャン最高投資責任者が、週刊現代のインタビューに答え、「今回の売却で、余剰金ができたのですから、株数を増資前の状態に減らし、一株当たりの価値を上げるべきです」と主張している。そうしないなら、6月27日の株主総会で車谷を会長の座から引きずり下ろすと、チャンはすごむのである。

   これに対し、東芝の車谷会長兼CEOは、カネはM&Aに当てるとしている。

   私には、利益が出れば株主を優遇せよという投資家たちのいい分には違和感がある。東芝は会社を切り売りし、社員も大幅に減らし、血を流して存続をしていくのだ。これからの厳しい船出に、投資家たちのわがままを聞く余裕はあるまい。生き残れるのか、消えていくのか、これからが正念場である。もう少し長いスパンで、東芝を見てやってくれ。これがトップの本音であろう。

   ところで、週刊現代と週刊ポストは期せずして歯科医問題を特集している。週刊ポストは巻頭で、手抜き銀歯や健全な歯まで削るいい加減な神経治療では、全身に細菌感染が広がるなど、10年前の歯科治療があなたの体を蝕んでいるという恐ろしい特集だが、今頃10年も前の歯の話をされてもなというのが、私の正直な感想である。

   週刊現代も、インプラントをすすめられたら、「インプラントを入れて5年後、10年後、他の歯はどうなりますか」と尋ねろ。とりあえず削りましょうといわれたら、「口腔内のデータをください、虫歯の原因、再発予防法を教えてください」と聞けという、週刊ポストと同趣旨の、歯科医を信用してはならないという特集である。

   こうした不易流行の問題をやるのは週刊ポストの得意手だが、週刊現代までなぜと思わざるを得ない。だが先日、週刊現代の編集部員からこんな話を聞かされた。

「最近は、ポストに抜かれる週が多いんです。われわれも現代のほうが週刊誌らしいと思うのですが、売れ行きが悪いため、編集長は、ポストの健康ものや相続税特集など、そうした企画を取り入れてやる方向になってきました」

   どちらも20万部そこそこの争いで、そこに最近は週刊新潮が加わったという。週刊文春も決してよくはなく、30万部そこそこだそうである。

   スクープを飛ばしても部数には反映しない。それなら週刊ポストのように、健康雑誌に特化した企画で、高齢者をターゲットにしたほうが、取材費はかからないし、効率的だというのだ。困ったものだ。今の週刊ポストは、正直、私には読むところがない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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