2019年 1月 17日 (木)

<ペンギン・ハイウェイ>
おねえさんを見てるとなぜかうれしい・・・小学4年生の夏休み「自由研究」テーマは恋の冒険

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(C) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会
(C) 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

   クールで論理的な小学4年生のアオヤマ君は、たくさん本を読み、毎日少しずつ疑問に思うことを研究し、ノートにまとめて、立派な大人になろうと思っている。通っている歯科医院のお姉さんと仲が良く、お姉さんもちょっぴり生意気なアオヤマ君を可愛がっていた。

   そんなある日、街に大量のペンギンが突如出現し、アオヤマ君はお姉さんが投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。お姉さんは「この謎を解いてごらん」と誘い、アオヤマ君のひと夏の研究が始まった。

   「夜は短し歩けよ乙女」などの人気作家・森見登美子の小説を原作としたアニメ映画で、監督は石田祐康が担当した。声はアオヤマ君を北香那、お姉さんを蒼井優、アオヤマ君の父親を西島秀俊が演じている。

「私という謎を解いてごらん」と挑発されて・・・

   小学生の夏休みといえば「自由研究」だ。登校日ぎりぎりになって父親に手伝ってもらいながら工作した人も多いのではないだろうか。自由といい、研究といいながら、それは大人が課題を与えた「勉強」だ。「研究」なら自発的に課題を見つけ、「わからないこと」を楽しめるはずである。

   実は、この映画はその「わからないことを楽しむ」がテーマになっている。お姉さんは「私というのも謎でしょう。この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか」と挑発し、アオヤマ君は「なぜお姉さんの顔を見ていると、うれしい感じがするのだろう」と思う。そう、研究対象は「恋」と「女性」なのだ。

   アオヤマ君のお姉さんに対する憧れを、性差を越えた感情で強調する作画が印象的であった。知識や経済力などが絡まない「恋愛」が、美しく描かれている。まるで性を知らない子ども=アオヤマ君に、「子どもがどうやって生まれる」かを、作品が教えているような感覚に陥る。

   コーラ缶をペンギンに変換するお姉さんは、母親=女性であり、お姉さんから生み出されたペンギンは赤ちゃんのメタファーと考えれば、ペンギン・ハイウェイとは、子供が生まれるまでの過程=性教育を、如何にファンタジックに表現するかに心血を注いだ「研究」に違いない。

丸輪太郎

おススメ☆☆☆

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