2019年 10月 21日 (月)

ゴーン一人を悪者にして逃げ回る日産の経営幹部たち―独裁許した責任頬かむりでは再建は難しいぞ

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   カルロス・ゴーン日産自動車前会長が4月4日朝(2019年)、会社法違反(特別背任)容疑で東京地検特捜部に再逮捕された。<中東オマーンの日産販売代理店に送金した約5億6300万円の日産資金を自らに還流させて、日産に損害を与えた疑い>だと朝日新聞DIGITAL(4月4日16時30分)が伝えている。

   逮捕の直前、ゴーンは「私は無実」だが、「私は90%の確率でこれから逮捕されるだろう」と、フランス民放ニュース局LCIのインタビューに答え、<自身が「外国で恐ろしい状況に巻き込まれている」「フランス市民としての私の権利が擁護されるよう、仏政府に訴えたい」>(朝日新聞DIGITAL4月4日19時05分)と語ったという。

   なにやら、東京地検特捜部とゴーン側の「面子合戦」の様相を呈してきたようだ。

   元日産の副社長や共同会長としてゴーン体制を支えた小林至(77)が、週刊ポストで、なぜ救世主が独裁者に変わったのか話している。小林は、現在の西川社長の知らない当時の内情を知る立場だが、内容に見るべきものはない。ゴーンは非常時に強い。在任期間が長すぎて、矩を超え、日本人を甘く見るようになった。この危機を乗り越えるために、西川と団結して頑張ってほしいなどなど。

   いま彼が語らなくてはならないのは、ゴーンのことより、なぜ日産が一人の人間に蹂躙されるようになってしまったのか、日産のどこに間違いがあったのかであるはずだ。このような会社が、再び立ちあがれるのか、私にはそっちの方が心配である。

アメリカ景気後退が始まった?長短金利が逆転「逆イールド現象」に金融業界は真っ青

   LIXILという会社がある。イナックスとトステムというのが統合してできたのだが、いまやグループ全体で社員6万人の大企業だ。去年(2018年)から、CEOの潮田洋一郎(65)のワンマンぶりが目に余り、瀬戸欣哉CEOの職を独断で解き、自らがその席に座ってしまったのだ。

   今年5月には、臨時株主総会を開き、潮田の解任決議を行うといわれているそうである。週刊現代で、イナックスの創業者の三男で、会長も務めた伊奈輝三(81)が潮田を批判している。昨年10月以降、株価は2割近くも値を下げている。こうした騒動に嫌気をさした従業員たちが、次々に辞めていっているそうである。

   由々しき事態のようだが、会社は社会のもので、創業者一族のものではない。潮田も自分のためではなく、会社のためにやっているのだと思うが、株主や周囲の人ときちんとやっていってほしいと、伊奈は話す。

   当然の言葉だが、残念ながら迫力に欠ける。こうした"いい人"ばかりだから、会社が混迷しても、直言できる人材が出てこないのだろう。危うし! LIXIL。

   ニューズウイーク日本版に気になる記事がある。アメリカの国債市場で11年ぶりに「逆イールド現象」が起きたというのだ。このニュースはアメリカの金融業界を大きく動揺させているそうである。

   逆イールド現象というのは、長期金利が短期金利を下回ること。なぜこれが注目されているのか。1955年以降、アメリカの景気後退のほとんどは、逆イールド現象が発生した後から起きているというのである。サンフランシスコ連銀によると、過去60年で、この現象が起きて2年以内に景気後退局面に入らなかったのは、たった1度しかないそうだ。

   この関係を指摘した教授が言うには、逆イールド現象が3か月以上続いたときに、初めて景気後退のシグナルになるので、まだパニックになることはないというが、不気味な予兆ではある。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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