2020年 9月 29日 (火)

志村けんは「8時だョ!全員集合」の第1回が放送される1週間前に忽然と姿を消した。テレビ局員が西武線の車内に佇んでいる志村を見つけて声を掛けると、気まずそうにしていたが答えはなかった

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   『コロナ時代の哲学』(左右社)が面白い。大澤真幸と國分功一郎の対談形式だが、示唆に富む「刺激的」な内容である。

   イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンについて多くを割いているが、この哲学者ただ者ではない。

   アガンベンは今年(2020年)2月に、「根拠薄弱な緊急事態によって、政府は様々な自由に制限をかけ、甚大な権利侵害が行われている。権利侵害の口実として『伝染病の発明』が行われた」という論考を発表し、大論争を巻き起こした。

   國分は、アガンベンの主張は、「死者の権利」と「移動の自由」にあるという。

   「今、死者たちが葬式もなされぬままに埋葬されている。人々はそれを受け入れ、驚くべきことに教会ですらそれについて何も言わない。しかし、死者が埋葬の権利をもたない社会、死者の権利を踏みにじる社会において、倫理や政治はどうなってしまうのか。そもそも、生存だけを価値として認める社会とはいったいどんな社会であろうか。―-アガンベンはこう問いました。

   また数ある自由の中でアガンベンは移動の自由の重要性を強調した。過去にも深刻な伝染病はあった。にもかかわらず、それを理由にして移動の自由すら奪う緊急事態宣言を行うなど誰も考えなかった。これは戦争中ですら行われなかったことだ、と」

   國分は、アガンベンの主張を、「我々が今、進んで民主主義を捨てようとしていることへの警鐘と捉えるべきかと思います」といっている。

  • 私は志村けんの笑いを活字で読んでみたい
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二階俊博という古狸が安倍を手玉に取っているというが、ホントかな。永田町も小物の寄り集まりになったものだ

   残念ながら、この国の政治家もジャーナリストも、こうした視点は皆無である。政府も都知事も、東京都民は他県への移動はまかりならんといい、都民からも反発する声は起きてこない。

   だが、ベルリンの壁を経験したドイツのメルケル首相は、その重要性を認識している。

   「旅行および移動の自由が苦労して勝ち取った権利であるという私のようなものにとっては、このような制限は絶対的に必要な場合のみ正当化されるものです。そうしたことは民主主義社会において決して軽々しく、一時的であっても決められるべきではありません」

とドイツ国民にスピーチした。

   その上で、「しかし、それは今命を救うために不可欠なのです」と訴えた。

   メルケルと比べるのは彼女に失礼だが、安倍晋三首相は見識も実行力も劣るが、政権に恋々とする執着心だけはメルケル以上、異常と思えるほど強い。

   そんな安倍の下心を見透かして、二階俊博という古狸が、安倍を手玉に取っていると、現代が報じている。

   現代は前の号で、二階幹事長のインタビューをしていたが、今回は、文藝春秋の赤坂太郎風の劇画調である。

   二階は、ポスト安倍を何とか私にと、すがりつく岸田文雄政調会長を斬り捨て、石破茂元幹事長と菅義偉官房長官を両天秤にかけ、どちらが総理になっても、自分が漁夫の利を得るというしたたかな戦略を立てているというのである。

   ほんとかいな? もう81歳。身体も声にも衰えが見える二階が、そんな戦略家だとは、私には思えない。

   たしかに、亡くなってしまった自民党の老獪なジジイたちの中には、そういうのがゴマンといたから、その連中の真似をしているということはあるだろう。

   真似は真似で、本物ではない。だが、その下の安倍を含めた政治家たちには、何もはっきりいわない(本当はいえないのだが)、何か画策しているように見せる二階が、怖く映るのだろう。

   永田町も小物の寄り集まりになってしまった。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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