2021年 3月 5日 (金)

民放のテレビ局経営を経験した立場からNHKの改革案に思うこと

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   最近、テレビ業界に関する話題の中で、特にNHKの改革案に関する議論を目にします。

   それを要約すると、「NHKは2023年度に受信料を、約1割値下げする方針を打ち出した。1月中旬に発表した、2021年から2023年の経営計画に盛り込んだ。しかし、事業が肥大化したNHKは、公共放送としてのあり方が問われている。身を削る更なる改革を進め、適正規模の将来像を示すことが急務だ」といったことだと思います。さらに付け加えるならば、「剰余金・事業規模に批判が集まっている。"スリム化"の継続が必要。グループ再編が急務」ということです。そのため、チャンネルも、4チャンネルあるBS放送は、2023年度にはBS1とBSプレミアムのうち1つ削減し、ラジオも2025年度にAMのラジオ第1と第2、FMの3チャンネルを、AMとFMの1つずつスリム化する方向です。

   受信料は、NHKの地上波が口座振替で月額1225円、衛星放送の受信料が2170円ですが、他のサービスと比べるとNetflixがスタンダードプランで1320円、Huluが1026円、Amazon Prime Videoが500円で、NHKは高い感じがします。(※各社料金はすべて税込)

  • NHK放送センター(東京・渋谷)
    NHK放送センター(東京・渋谷)
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視聴率を気にしないで良質の番組を作れば、民放と差別化できる

   私は、以前から「(番組の予告を、大量に入れていることから)視聴率を気にする、NHKの"民放化"」というのが、気になっていました。

   本来、NHKというのは受信料で"食べていける"局なのです。結果としての視聴率を考慮するならまだしも、民放にはできない良質の番組を、制作費を十分にかけて作るべきなのです。もちろん、無駄は削除すべきですが。

   その結果、「NHKスペシャル」や「映像の世紀(注)」、「大河ドラマ」等の数々の名作が生まれたのです。

   繰り返しになりますが、NHKは無駄を省いたうえで、良質の制作費をかけた番組で勝負すべきだと思います。それが結果として、視聴率を取り、民放と差別化された形になるのです。

   NHKの中にも、そういうことを理解されている方たちが何人もいると思います。

   (注:第二次世界大戦後50周年、NHKの放送開始70年、映像発明100周年記念番組として制作されたドキュメンタリー番組で、1995年3月から1996年2月にかけて「NHKスペシャル」として放送された)

渡辺弘(わたなべ ひろし)
渡辺 弘(わたなべ ひろし)
1952年生まれ。東京大経済学部卒業。1976年に日本テレビに入社し、制作局CP、ドラマ制作部長として番組づくりの現場で活躍。編成局長、制作局長、取締役報道局長、常務・専務を歴任した。「マジカル頭脳パワー!!」「THE夜もヒッパレ」「「スーパーJOCKEY」「24時間テレビ」などヒット番組をプロデュースした。 現在は「情報経営イノベーション専門職大学」客員教授。映像会社「2501」顧問。
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