北海道・江差町の道立江差高等看護学院の学生たちが、複数教員からパワハラを受けたと訴えている問題で、北海道庁はきのう7日(2021年4月)に保護者説明会を開き、教師たちの行為は指導で、パワハラについては調査中とした。阿部祐二リポーターが取材した。
道庁が説明会
江差看護学院は看護師を育成する公立の専修学校で、3年間学ぶ。そこで10年ほど前から、教師によるパワハラが原因で退学や休学が相次いでいるという。どんなことが行われていたのか。「スッキリ」が在校生や卒業生に聞いてみると――。
まず暴言。「あんたに指導する価値ない」「バカなの? 言ってること、わからない」と無視したり、「ターゲットを決めて、その子には患者に向けて行うことの指導しない」(学生)こともあり、学生は「命にかかわることなのに」と訴えている。
学院には10人の教師がいて、うち5人が日常的にパワハラを繰り返していたという。うち一人の教師は以前勤務していた学校でも、学生が「教員室に指導を受けようとうかがっても、シカトされる」と指摘されていた。
学生は「新型コロナで、看護師を育てなければいけないのに、この学校に行ったら看護師になりたい人がだんだん減っていってしまう」と話している。学生たちはパワハラを訴えているだけでなく、こんな現状を真剣に心配しているのだ。そこで今年1月(2021年)に北海道庁福祉部に「調査をしてほしい」と手紙を送ったが、「こっちで判断する内容じゃない」と門前払い。見かねた保護者たちが父母会を結成し、独自の調査を始めたところ、ようやくきのうの説明会を開いた。
「こういうときに、教師から必ず出てくるのが『指導の一環』という言葉です」
説明会の後、阿部が担当職員にパワハラを認めないことについて質問した。道職員は「事実でないことの上に物事が進んでいく一方で、それも大変なことだと思っております。他部署とも吟味しながらやっておりますので、ご理解いただきたい」と、パワハラは事実でないといわんばかりだった。
阿部「教師はそのつもりでなかったと言っているからということなら、子どもたちの声はどう捉えているんですか」
道職員「ハラスメントのくくりではなく、指導が適正であったか否かという観点で、事実確認して対応していきたいと思ってます」
さらに、学院の事務局長は「答えられる状況にない」と逃げた。阿部は「自主退学、自主休校が起きているのに......。こういうときに、教師から必ず出てくるのが『指導の一環』という言葉です」と怒る。
司会の加藤浩次「学生たちがパワハラととらえているなら、指導にはならないと思いますけどね」
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「(学校も北海道庁も)逃げているとしか思えない。第三者委員会が調査したほうがいい」
ブラック校則もそうだが、いま学校では「指導という名のパワハラ」が横行している。
(カズキ)