2023年 2月 3日 (金)

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公判維持できるのか?「紀州のドン・ファン」元妻逮捕に物証なし―「毒カレー事件」とそっくり

   4月28日朝の「紀州のドン・ファン殺人で元妻を逮捕」のニュースには、正直驚いた。和歌山県田辺市の野崎幸助社長、当時77歳が殺害されたのは2018年5月24日の夜だった。和歌山県警が遺体を解剖したところ、血液や胃の内容物から致死量を超える覚せい剤成分を検出したのである。死因は急性覚せい剤中毒と判明した。

   腕などに注射痕はなく、口から接種した可能性が高いとみられた。本人は常々「覚せい剤は嫌い」だといっており、55歳年下の須藤早貴と3度目の結婚をしたばかりで、自殺する理由は見つからない。家には多くの防犯カメラが設置され、外から誰かが入ってきて覚せい剤を飲ませた可能性は少ないと見られた。家にいたのは新妻の須藤と家政婦の2人だけだった。

   名探偵でなくても、この2人が怪しいと考える。とくに新妻は、夫の野崎が死ねば何十億円といわれる莫大な遺産が転がり込むから、動機は十分である。しかし、捜査は予想に反して難航した。物証はなく、彼女と覚せい剤とのつながりも出てこない。一時、家政婦の元亭主の線で覚せい剤を入手したのではないかという報道もあったが、消えたようだ。

   まさに密室殺人。週刊誌を始めミステリーファンの間にも関心が広がり、さまざまな憶測が乱れ飛んだが、次第に関心は薄れていった。新妻は東京へ戻ってしまって、時折捜査情報を載せるのはフライデーだけになっていった。迷宮入りかと、私も思っていたが、突然の早朝逮捕である。和歌山県警や田辺署の捜査に賭けた情熱は賞賛に値するが、物証または自白などはあったのだろうか。

   新聞、テレビはこれまでの報道をなぞるだけだが、さすが週刊新潮、今週発売号で「ドバイに高跳び画策で逮捕へ」と打っているではないか。ただ、読み進めていくと、大丈夫なのかという疑念が湧いてくる。決め手は和歌山県警が彼女から押収した2台のスマホにあったGPS機能だというのだ。

   <GPS機能を解析すれば、測定誤差数メートルの範囲内でスマホの場所、さらには時間帯も絞り込める。その結果、野崎氏に一服盛れたのは、S(須藤=筆者注)以外にあり得ないことが判明したという。いわば、『消去法』での犯人洗い出しだった>(週刊新潮)

   おいおい、そんなこと事件当初からわかっていたことではないのか。いまごろGPSを分析したなんて話を、誰が信じるのか。このやり方は、和歌山県警が手がけた、1998年に起きた「和歌山毒物カレー事件」と同じだというのだ。決め手は、住民らの証言に基づき、1分刻みでタイムテーブルを作成し、林眞須美死刑囚以外に鍋にヒ素を混入する機会を持つ者はいなかったとの結論を導いたというのである。

   林死刑囚は一貫して無罪を主張しているではないか。冤罪ではないかという声だってある。3年近く捜査してきて決め手はないということか。このタイミングで逮捕したのは、須藤容疑者が顔の整形手術を受けたらしく、だいぶ印象が変わってしまったことと、週刊新潮によれば、彼女は以前、中国やドバイでモデルの仕事をしていたため、「万一ドバイへの渡航を許せば、事件のお宮入は確実。一部のメディアにSさんの"海外移住計画"をリークし、その阻止に動きつつ、逮捕を急いだのです」(捜査関係者)

   急いだ理由は分かるが、物証も自供も得られずに起訴したとして、公判維持できるのだろうか。悪名高い「人質司法」をやれば、自白をすると高をくくっているのではないか。弘中惇一郎弁護士の出番かもしれないな

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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