2024年 4月 27日 (土)

大谷翔平 オールスター選出でも心配なあの兆候「粗悪なすべるボール」で乱れる投球――ほか5編

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二人三脚で生き残りに走る「小池・菅コンビ」五輪終わったら総選挙まっしぐら

   哀れな人特集には、小池都知事と菅首相を入れないわけにはいかない。小池は6月22日(2021年)に、突然、入院してしまった。原因は過労だというが、コロナ対策だけではなく、7月4日に投開票される東京都議選で、小池が特別顧問をしている都民ファーストの会が劣勢なこともあり、東京五輪も東京の感染者が増え続けていて先行き不透明なこともありと、難問山積から逃げ出したというのが大方の見方のようである。

   週刊新潮によれば、小池は五輪が終われば都知事の椅子に魅力はなくなるから、自民党・二階幹事長を頼って国政に出ようと謀っているそうだ。だが、官邸幹部や自民党執行部が受け入れる様子はないから、「都議会自民党との関係を徐々に修復していきながら、国政復帰を窺うのが現実的です」(政治部デスク)

   しかし、週刊ポストは、新潮とは真逆で、小池の国政復帰を後押しするのは菅首相だというのである。小池はこれまでも何回か菅と会ってはいるが、入院する直前の6月19日には、初めてプライベートな空間である「首相公邸」で、約1時間にわたって五輪の運営について話し合ったというのだ。菅の側近がこう話す。

   <「総理の小池に対する評価が変わったのは最近です。パフォーマンス好きの小池が国民の五輪批判に便乗して"五輪中止をぶち上げるんじゃないか"という心配があったが、小池は軽挙妄動せずに総理の開催方針についてきた。いまや2人は五輪では運命共同体。警戒心の強い総理は小池を決して信用はしていないが、利用できるカードと考えている」>

   また、国政転出を窺う小池に都合がいいことに、次の総選挙では東京に自民党の空白区ができたのだ。公職選挙法違反で議員辞職した菅側近の菅原一秀元経産相の選挙区の東京10区だ。小池の衆院議員時代の選挙区の隣で、地盤も重なる。菅原は3年間の公民権停止処分が確定して、次の総選挙に出馬できないため、公認権を持つ菅総裁と、小池と関係がいい二階幹事長のオーケーさえあれば、自民党公認で出馬できる状況だというのだ。

   菅の生存戦略は、五輪をなんとしても成功させ、9月の自民党総裁選挙を実施せずに無投票再選へ持ち込むことだが、安倍前首相や麻生太郎、甘利明などがすんなり認めてくれるかは未知数である。そこで、よくも悪くも知名度の高い小池を取り込み、オレを引きずり下ろすなら、子分の河野太郎行政相や小泉進次郎環境相を小池と組ませて対抗するぞ、と牽制することで、政権の延命を図ることを考えていると週刊ポストは見ているのである。私はまったくこの見方には同意できないが。

   菅首相は哀れというより、"無残"といったほうがいいかもしれない。大博打を打った東京五輪開催は、感染者は増え続け、外国から来る選手団に早くも陽性者が出て、有観客でやるのは難しくなってきた。そのため、組織委が観戦チケットについては6日に予定していた再抽選の結果公表を延期することを検討しているようだ。

   追い詰められる菅首相だが、フライデーに菅のカジノ構想に反対している"ハマのドン"藤木幸夫と、国家公安委員長などを辞任して横浜市長選に出馬を表明した小此木八郎の3人が写っている写真が載っている。小此木は菅が秘書を長年務めた小此木彦三郎の三男で、彼もカジノ反対派である。小此木の出馬はいろいろ取り沙汰されてはいるが、フライデーは<「菅さんが『横浜カジノは一旦、棚上げでもいい』と考えていて、両者の『手打ち』という意味があると思われます」(自民党関係者)>と見ているようだ。

   菅にとってはカジノどころではないというのが正直なところだろう。五輪後に再選を果たして、その後にじっくりカジノを進めようという魂胆であることは間違いない。しっこさではこの男の右に出る者はいないから、万が一にも諦めるようなことはしないはずだ。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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