政府の制限緩和の実証実験に、北村教授「何のためなのか分からない」と批判

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   政府が行動制限の緩和に向けて実証実験を行う方向を示している。司会の羽鳥慎一が「11月以降に、ワクチン接種証明や検査の陰性証明を活用し行動制限を緩和する見通しで、そのために10月から実証実験を行うということです」とニュースを紹介した。

   実証実験の期間は10月中の2~3週間程度で、場所は全国10か所程度の地区、対象は指定地区の飲食店、コンサートホール、ライブハウスなど。具体的には、利用者のワクチン証明や陰性証明の確認、ワクチン接種の有無で飲食店内の利用エリア分けを行うなど。毎日新聞によると、検証ポイントとは「感染リスクが高まらないか」「証明や本人確認などチェック体制は十分か」「施設の営業や運営に支障をきたさないか」などで、現在のところ、北海道、埼玉、愛知、大阪、京都、福岡、熊本などが参加の意向を示しているという。

  • 政府の実証実験は効果があるのか…
    政府の実証実験は効果があるのか…
  • 政府の実証実験は効果があるのか…

「むしろワクチンパスポートがちゃんと発行できるのか疑問」

   内閣官房の担当者は実証実験の狙いについて「飲食店やイベントでどれくらい感染が広がるかを見るわけではない。たとえば店の入り口で検査した時の時間やコストなどを確認し、そのオペレーションの負担や課題を明らかにするのが狙い」だと話しているという。

   この実証実験について、日本医科大学の北村義浩特任教授は「ここに挙げられている3つの検証ポイントを調べるだけなら、この実証実験は不要。ワクチンの効果はすでにわかっているはずで、むしろワクチンパスポートなどがちゃんと発行できるかのほうが疑問。入り口で検査というが、パスポートも証明書もない人が来たら、入り口で検査をするつもりなのか。何のための実証実験なのかからない」と指摘。

   石山アンジュ(「パブリックミーツイノベーション」代表)は「ワクチンを接種しない選択をした人への公平性のために、検査がいつでもどこでもできるということがセットとなるべき。陽性の可能性がない検査は自己負担になっているが、お金がないから検査を受けない人が実証実験に参加できないというふうにならないように検討する必要がある」と主張し、さらに「私は去年入院したことがあるが、面会できないのはつらい。出産の立ち合いもできないのが現状。こちらも実証実験の対象にしてほしい」と訴えた。

   北村教授は「そもそも命を守るのがワクチン接種。介護施設での面会なども含め、ワクチンパスポートがあれば面会できるか、そちらの実証実験を立ち上げてほしい」と石山に賛意を示す。

   テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「接種証明がないと店に入れないとなると、どんなトラブルが起きるのかわからない。どんなトラブルがあったのかを参考にして制度を作るなど、トラブル回避策を作るためなら意味はあるかもしれない」と指摘。

   北村教授は「お客さんではなく店員側がワクチンを売っていなかった場合には、3日ごとに検査して陰性証明をするのかなど、専門家の中でもおかしい話と指摘する先生はいる」と話した。

(バルバス)

姉妹サイト