2024年 4月 20日 (土)

なんだこの番組は!? Eテレ「大真面目におふざけ」特撮のカオス

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   深夜になにげなくEテレをつけたら、岡本太郎のモノクロ写真と赤い文字で書かれた「なんだこれは!」の文字が。続いて、古ぼけたナレーションと共に映し出された、画面比率4:3のアナログ映像。そこには怪しい書体で『奇獣 森の掟』と書かれ、安っぽい特撮の赤い怪獣らしきものが......。

   バックには「なんだこれは なんだこれは なんだこれは♪」と「帰ってきたウルトラマン」で防衛チームMATが出撃するときの「ワンダバダバ、ワンダバダバ、~♪」(通称「ワンダバ!!」)を模したBGMが流れ、明らかにミニチュア模型とわかる建物の上を、先ほどの赤い怪獣が飛ぶ。逃げ惑う人々に、緊急速報らしきテレビに映し出されたキャスターや解説者は昭和感満載の髪型と服装だ。

  • NHKの「岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN」番組サイトより
    NHKの「岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN」番組サイトより
  • NHKの「岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN」番組サイトより

岡本太郎とTAROMAN

   隕石が落ちてきて現れたのは銀色に赤いストライプの巨人。ウルトラマンらしきカラーリングだが、首の上にあるのは金色に輝く『(太陽の塔の)太陽の顔』。

   そこに、「なんだこれは!そう、それは芸術の巨人TAROMANである!」という力づよいナレーション。そして、間髪入れず「岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN」の文字。続いて、映し出されるのは特捜隊らしき隊員や、彼らが乗り込む戦闘機、基地内部らしき場所の映像。『TAROMAN』と怪獣らしきものが戦う間、ずっとテーマソングが流れる。

   妖しく『うにゃうにゃ』と揺れる怪獣を背景に「でたらめをやってごらん TARO」とタイトル。タローマンは派手に戦うことはなく、妙な踊りをしたり、給水塔の水を飲み干したり、ビルの上で平泳ぎをしてみたり、「でたらめなこと」をやっていると、苦しみだす赤い怪獣......。やがて、ぴたっと動きを止めるタローマン。「タローマンは行き詰まった。行き詰まってしまった。しかし、行き詰まりからこそ芸術は拓けるのだ!そう岡本太郎も言っていた!」のナレーションに続き、「芸術は爆発だ!」という岡本太郎本人の声に合わせてタローマン光線を発射し、怪獣を爆破した。

   とにかくカオスな番組。「なんだこれは?」と呆気にとられていると、画面には妙な切り絵のようなアニメーションに続いて、はためく日の丸&「君が代」。放送休止の時間になった。

   「岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN」。情報量多すぎかつ濃密な内容に反し、まさかの5分番組。数年後には「深夜に見た謎の番組」系の都市伝説になっているかも!? テロップには「取材協力 岡本太郎記念現代芸術振興財団」「取材協力 円谷プロダクション」「資料提供 海洋堂」とあった。大真面目におふざけ、これぞEテレの真骨頂。

   全10話。7月30日(2022年)が最終回だが、7月31日、8月1日2夜連続で10話まとめて再放送する。

(くろうさぎ)

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